第118話 不死鳥の試練④

【聖獣たちを倒したそんなものか!?まだまだいけるだろう!】


「くっ…」


フェニックスとの戦いが始まってしばらくして私は防戦一方だった。


空からの攻撃、広い攻撃範囲、高い攻撃力…。


どれをとっても私の上をいっている。


正直勝ち目はないといっていいくらい。


流石聖獣の親玉っていったところかな…。


【どうした?怖気づいたか?】


「まさか。あなたを倒すプランを思考してたところだよ。」


【言いおるな。】


「…」


言ってみたはいいもののフェニックスを倒す案は何も思い浮かばない。


どうする…?


どうすれば勝てるの…?


不死身の敵を倒す時ってなんか仕掛けがあったりするけど…。


例えば心臓が別の場所にあったり何かの仕掛けで回復してたり…。


でもフェニックスはそんな感じじゃない…。


とにかく攻撃してみるしかないのかな?


まずは羽を狙ってみよう。


【弱点を探しているのか?無駄なことだ。】


「無駄かどうかはやってみなくちゃ分からないでしょ?


モノ!アクアバースト!」


【羽狙いか…だが甘い。】


「やっぱり弾かれる…」


【甘いと言っただろう?これくらいの攻撃で余ははびくともしない。】


「じゃあ…こうはどう?」


【む?】


「職業変更:侍」


【クマが消えた…?】


「職業変更:テイマー」


私はもう一度テイマーに戻り、モノを再召喚する。


その場所は…


「モノ!アクアバースト!!!!!!!」


「くぅ~!!!!」


【ガ八ッ!…いつからそこに…】


「まだまだ!モノ!アクアバースト連打!」


「くっうううううううう~!!!」


【ぐっ…】


「そして…行くよモノ!」


「くぅ~!」


「【ユニゾン】クロスアクアバースト!!!!!!」


【ばかな…我にこんな大きなダメージを与える人間が現れるとは…


面白い。】


「あんな強い攻撃したのに倒れないの…」


本人(鳥?)は大ダメージと言っているが凄く元気そうだ…。


私達の攻撃全く効いてない…?


【余は不死身の象徴ぞ?存在ごと消されたとしても灰から蘇る。】


「そんなチートあり…?」


【だがそうだな。貴様は余に力を見せた。


褒美をやろう。】


「え?私は条件満たせてないけど…?」


【あれは元々無理難題だからな。


一定の力を見せてもらえたら渡す予定でいたのだ。


説明が足りなくてすまぬな。


貴様には本気で戦ってほしかったのだ。】


「そういうことならまぁ。」


【さて褒美の話に戻ろうか。


我を認めさせた褒美…それはこれだ。】


そう言ってフェニックスはどこかから一つの卵を持ってきた。


「これは…」


【これは余の番が産んだ卵なのだがどういうわけか孵らなくてな。


この卵を貴様に託したいのだ。】


「いいの?」


【ああ。信頼に値すると判断した。】


「フェニックスがいいなら私がその卵を受け取るよ。


大切にするね。」


【ああ。頼んだ。】


「頼まれました。」


私は卵を受け取ると塔を出ようとする。


《緊急警報。緊急警報。


エイトルティナに厄災接近中。


至急のためレベル70以上のプレイヤーを強制転移させます。》


「…へ?」


何が何だか分からないまま私はどこかに転移させられるのだった。






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