第116話 不死鳥の試練②

「どうぞ。こちらへ。」


「お邪魔しまーす…」


私はリジンに連行されて神殿へと来ていた。


シスターがいるのって普通教会みたいなとこだと思うんだけど…。


「リジンたちは教会に勤めていいるわけじゃないんだね。」


「この神殿が教会の役割も兼ねているんです。


礼拝堂も中にあるのであとでお祈りしていってくださいね。


ユズさんを案内したいのはこちらです。


付いてきてください。」


そう言ってリジンは扉を開けて手招きする。


「この先に何が…」


「大聖女様。失礼します。少しお時間よろしいでしょうか?」


リジンは扉をノックして中の人物に声を掛ける。


大聖女…。


恐らくここのトップの人間だろう。


一体どんな威厳のある人なんだろう…?


「…入ってください。」


中に入ると小さな女の子がちょこんと椅子の上に座っていた。


他に人はいないようだしもしかしてこの子が大聖女様…?


「大聖女様。聖獣にあったというものをお連れしました。」


「聖獣様に…それは誠ですか?」


「本当だけど…」


「そうですか…証拠などはありますか?」


「えっとこれかな。」


私は大聖女様にも聖獣の結晶を見せる。


「…間違いありません。これは本物の聖獣様の結晶です。」


「誰も偽物とは言ってないけど…」


「これをどこで?」


「いや普通に聖獣と戦った時に貰ったものだけど…」


「す…」


「す…?」


「すっごい!すこいねお姉ちゃん!」


「大聖女様。素が出てますよ。」


「…コホン。失礼しました。」


「えっと今のは…?」


「大聖女様はとても興奮するとああなってしまうんです。


他言無用ですよ?」


「…うん。言わないよ。」


言わない方がなんかレア感あるし。


「それはさておき大聖女様は不死鳥の試練について何か知ってる?」


「ええ。存じています。リジンもそのことで連れてきたんでしょうし。」


「はい。仰る通りです。」


「そうだったんだ…。」


「では本題に入りましょう。


…失礼。自己紹介が遅れましたね。


私はセイン。


ここで大聖女を務めているものです。」


「私はユズ。」


「ではユズさん。


あなたには不死鳥の試練を受ける資格があります。


私達もそれに同行させていただきたいのです。」


「それは構わないけど…場所分かんないよ?」


「それは大丈夫です。


私が場所を知っているので。」


「なら大丈夫だね。」


おそらく同行する類のクエストだろうし…。


まぁスノウたちがいれば危険はないだろうし…。


「うん。同行を許可するから案内してもらっても大丈夫?」


「はい。ではさっそく向かおうと思いますが…


アイテムなんかは大丈夫ですか?


不死鳥様との戦闘になる可能性もあるかもですが…。」


「大丈夫。」


フラちゃんのレクチャーをしたときにたくさん補充したからね。


「では行きましょうか。」


こうして私はセインの案内で不死鳥の試練を受ける場所へと向かうのだった。







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