第113話 番外編 初心者レクチャー④
買い物を終えた私達は集合場所の草原へと戻ってきていた。
「さてと次はどうしますの?草原まで戻ってきましたけれど…」
「次はねぇ…レベル上げをしようと思うよ。まぁ要するにモンスターとバトルだね。」
「私にもちゃんと出来るかしら」
「簡単だよ。ここら辺のエリアはレベルの低いモンスターしか出ないし」
「それなら問題はなさそうですわね。」
「じゃあさっそくレベル上げをしよう。えっと…あ、ちょうどいいところにスライムが。
あのスライムを倒してみよっか。
私が参考…にはならないから実際にやってもらった方が早いかな。」
まぁ私は自分で戦闘するタイプの職業じゃないからね…。
侍にも慣れるけど。
「分かりましたわ。」
フラちゃんはスライムに近付いていくとそのまま剣を振り下ろした。
スライムは一瞬にしてポリゴンとなって消えていった。
「やりましたわ!」
「うん。やったね。」
スライムが弱かったとはいえレベル1でああも強い攻撃を…。
武器の力もあるけどフラちゃんのセンスがいいのかな?
まあいいか。
「さてこの調子でレベル上げを続けよう。」
「分かりましたわ。」
私達は同じ要領で第一エリアのモンスターをひたすら倒していった。
といってもまぁ私は指示してただけなんだけど。
ユイノキラメキは壊れちゃったから侍で戦おうにも刀がないんだよね。
あとで調達しないとかな。
「さてと…これくらいでいいかな」
「随分とたくさん戦いましたわ…」
「レベルどれくらいになった?」
「えっと…25まで上がりましたわ。」
「結構上がったね。もう第三エリアくらいまでならいけるんじゃない?」
「…ちなみにユズさんのレベルはどれくらいですの?」
「私?私は…レベル80は超えてるかな。」
まぁ一応ゲーム始めて二か月以上は経ってるからね…。
まぁ厄災モンスターと戦ったのも結構デカいと思うけど。
「…まだまだ足りませんわね。」
「ん?何か言った?」
「いえ。何でもありませんわ。
私はそろそろお稽古の時間なのでここまでにしますわね。」
「そっか。今日はピアノだっけ?」
「ええ。それでは」
そう言ってフラちゃんはログアウトしていった。
「さてと…」
私もログアウトしようかと思ったけど…。
ちょっと気がかりなことがあるんだよね…。
今回、フラちゃんのレベル上げをしていた時やけに狼が多かった気がする。
確か第一エリアにはスライムが多めで狼はあまりいなかったはずなんだけど…。
なにかイベントが起こる予兆とか?
まぁなんにせよ用心しておくことに越したことはないかな…。
このゲームの運営、いきなりとんでもないモンスターとか実装してきそうだし…。
「まぁいっか。私もログアウトしよっと」
この時は知る由もなかった。
この異変がのちにどんでもないクエストに繋がることになるなんて。
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