第112話 番外編 初心者レクチャー③
武器屋から出た私達は次の目的地へと向かって歩く。
「それで…次はどこへ行くんですの?」
「次は雑貨屋かな。アイテムショップともいうけど」
丁度私も回復薬とか買い足そうと思ってたし初心者には欠かせない場所だしね。
「こんにちわ。リーラ。」
「ユズさん!いらっしゃいませ!お買い物ですか?」
挨拶をすると元気な声でリーラが出迎えてくれた。
うんうん。今日も可愛くて何よりだよ。
「ユズさん、こちらの方は店員さん…でよろしいのかしら?」
「あ。紹介してなくてごめんね。この子はリーラ。
ここの看板娘さんだよ。
こっちはフラムちゃん。
私はフラちゃんって呼んでるよ。」
「よろしくお願いいたしますわ。リーラさん。」
「ほわ…」
「リーラ?」
「あ、すみません!お嬢様って初めて見たもので…
綺麗だなって…。
よろしくお願いします。フラムさん。」
「そうなるよねぇ…私も初めて見た時そうなってたし」
「あの時のユズさんは面白い顔してましたわね。」
「え?そんなに変な顔してた?」
「ええ。小学生とは思えない顔してましたわ。」
そんな顔してたのか私…。
普通に綺麗だなって思ってただけなんだけど…。
まぁそれはいいや。
「今日はフラちゃんの冒険デビューの日だから色々買い揃えに来たの。
あとは私の個人的な買い物。
リーラ。
初心者が必要そうなもの見繕ってくれる?」
「分かりました!ちょっと待っててくださいね!」
そう言ってリーラは商品を色々選びに行った。
その間に私は自分の買い物を済ませちゃおうかな。
とりあえず回復ポーションと匂い袋と…
「あれ、この設置型匂い罠って…」
「あ、それは新作ですよ!
ユズさんがたくさん買って使ってくれたおかげで他の方にも匂い袋が売れるようになりまして
設置型もあれば準備かなと!」
「へぇ…範囲はどれくらいなの?」
「広範囲に行き渡るように起動すると微弱な風魔法が発動するようになっているんです。」
「へぇ…」
これなら長時間のレベル上げにも使えるかも…。
ムサシ(仮)のイベントではスノウたちは出せなかったからレベルを上げられなかったし…
みんなのレベル上げにちょうどいいかもね。
「これ貰うよ。」
「ありがとうございます!ちょっと待ってくださいね…初心者用セットも出来上がりました!」
リーラが置いた籠には回復ポーションをはじめ経験値アップアイテムや状態異常を回復するアイテムなど
色々と詰め込まれていた。
「…うん。これだけあれば大丈夫かな。
私が払うよ。」
「自分の買い物は自分で払いますわ。」
「いや。払わせてほしいの。
せっかくフラちゃんがこのゲームを始めてくれたから記念にね。」
「…ユズさんはこうなったら意地でも譲りませんものね。
分かりましたわ。」
「私のことよく分かってるね。」
「幼馴染ですもの。」
「はいこれ。」
「確かにちょうど受け取りました!」
「じゃあまた来るね。」
「失礼いたしますわ。」
「またのご来店お待ちしてます!」
私とフラちゃんはリーラに手を振ると店の外へと出るのだった。
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