第111話 番外編 初心者レクチャー②

その日の夜…


私は姫ちゃんと第一エリアの草原で待ち合わせをしていた。


まぉ姫ちゃんに第七エリアまで来てもらうってわけにもいかないからね。


「お待たせしましたわね。ゆずり…いいえユズさん」


「大丈夫。今来たところだから。」


「それはずっと待っていた人が使う言葉ですわよ…?」


「いいからいいから。」


「まぁいいですけど…それで私はここからどうすればいいのです?」


「まずは装備を整えるところかな」


「そうび?」


「私が付けてるみたいな体に纏うことで能力を発揮する…まぁ簡単に言うと


自分を強くするための鎧と武器だね。


まぁ私のは特殊なんだけど…それは一旦置いておいて。


えっと…」


「どうかしましたの?」


「いやゲーム内でなんて呼べばいいかなって。」


「ぷれいやーねーむ?のことですわね。


フラムという名前にしましたわ。


ネットではリアルネームは避けるべきなのでしょう?


そこはお勉強しましたわ。」


「じゃあフラちゃんって呼ぶね。」


「ええ。構いませんわ。」


「私のことはユズって呼んでね。」


「ではユズさん。お話の続きを。」


「うん。フラちゃんは職業は何にしたの?」


「ガイドの妖精さんに初心者にお勧めは何かと聞きましたら


初心者ならこれがおすすめと言われましたので剣士にしてみましたわ。」


「剣士ならまずは剣を買わないとね。」


「剣なら貰いましたわよ。」


「初期装備ってすぐ壊れちゃうらしいよ。ネットで見た知識だけど」「


私は一番最初にスノウを貰ったから関係なかったんだけど。


教えるにあたって色々調べてきたんだよね。


私の元の知識じゃ足りなそうだったし。


「とりあえず武器買いに行こっか。最初に貰った初期金あるでしょ?」


「ええ。」


「まずは街に入りましょう。」


「なぜ改まった言い方なんですの…?」


「なんとなく説明っぽいかなって。」


「相変わらず形から入るタイプですわね…」


「とりあえず武器屋にgo!」


私達は始まりの街へと入るのだった。


「…これ最初から街中で待ち合わせすればよかったのでは?」


「…細かいことは気にしない方向で行こう?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さてと…着いたよ。ここが武器屋。」


「…随分と空いてますのね。」


「新しく始める人はまずは戦闘に行きがちだからね。」


「私もそうした方が良かったのでは?」


「初心者がいきなり戦闘行くのは危ないんだって」


「そういうものなんですのね…」


「とりあえず武器選ぼうか。


自分のステータスに合わせたものを選ぶといいらしいよ。」


「では…これにしますわ。」


そう言ってフラちゃんが取ったのは鋼の剣の中でも攻撃に特化したものだった。


「嬢ちゃんお目が高いね!それはうちの店の中でも特に出来がいいもののうちの一つだ!


値段は2000Gだよ!」


「では…」


「うーん。確かにそれもいいけど…こっちとかどう?」


私はステータスを見た中で一番いいと思った武器をフラちゃんに渡す。


「お客さん…何者だい?」


「…ただのテイマーですよ。」


…ムサシ(仮)を倒した時に【剣の極】ってスキルを手に入れて剣のポテンシャルが見えるようになっただけなんだけど。


まぁ店主に行っても仕方ないし言わないけどね。


「これはそんなにいい武器なんですの?」


「それは大剣オリオン…とある剣士が持ってきた素材で作った武器なんだがその剣士はわけあって死んでしまってな。


せっかくだから売ることにしたんだが表向きはただの大剣にしか見えないし


そちらのお客さんのように強いと見抜ける人間も現れなかったから売れ残ってたんだ。」


「これいくら?せっかくだからフラちゃんが買えばいいよ。


買わないなら私が買うけど」


「…そうですわね。ユズさんがそんなに推すなら買おうかしら。」


「…いいのかい?素人にはとても扱えるものじゃ…」


「大丈夫だよ。何かあったら私がどうにかするから。」


「そうか。なら…毎度あり。代金は1500Gだ。これは鞘と…おまけに防具だ。」


「頼んでないですわよ?」


「店からのサービスだと思ってくれ。」


「…では遠慮なくいただきますわ。」


「じゃあ次の店行ってみよー!」


武器屋で買い物を終えた私達は次の準備をするべく店を後にするのだった。

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