第110話 番外編 初心者レクチャー①

「ふぁぁ…朝かぁ…」


あの後、セルブレアへと戻った私は宿屋へと入りログアウトをした。


まぁ結構な時間ログインしてたからね…。


特に最近は連日て長時間ログインすること多かったし。


「やばっ…学校行く準備しないと…」


時計を見ると既に登校しなければならない時間になっていた。


急いで着替えて階段を降りる。


キッチンに行くと先に降りていたお姉ちゃんが朝ごはんの準備をしていた。


「おはよう~」


「おはよう!」


「随分と急いでるねぇ」


「起きたら時間ギリギリだった!お姉ちゃんは今日お仕事は?」


「お休みだよー。送ってこうか?」


「大丈夫!間に合うから!」


「そっか~。気を付けてねぇ」


「うん!じゃあ改めて行ってきます!」


私は近くにあった朝食用の菓子パンを一つ取って家を出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぅ…どうにか間に合った…」


私に出せるスピードの限界まで出してどうにか登校時間に間に合ったけど…


これはもう明日筋肉痛かな…。


「どうしたんですの?そんなところで。」


「あ、姫ちゃん。おはよう。」


ドアの横で座り込んでいた私に話しかけてきたのは姫ちゃん…姫野撫子だった。


「おはようございます。


それで…そこでなにしていたんですの?」


「起きたら登校時間ギリギリでさぁ?走ってきたの。」


「前もそんなことありましたわね。


どうせまた夜更かししていたのでしょう?


早く寝て早く起きないと体に悪いですわよ?」


「お母さん。


そんなこと言われても私、最近FWOにハマっちゃってるから


今の生活は早々変えられそうにないんだよね。」


「私は柚葉さんを産んだ覚えはありませんわ。


それで…ふりー…なんとかっていうのは何ですの?」


「あー。姫ちゃんゲームとかやんないもんね。


最近私がやってるのはFreeWorldOnlineっていう人気のゲームだよ。


VRゴーグルを使ってプレイするの。」


「面白いんですの?」


「私が遅刻仕掛ける程度には」


「では私もやってみたいですわ。」


「姫ちゃんも興味あるの!?」


「お、お友達がやっているものに興味を示すのは当然の反応でしょう?」


「姫ちゃん…!」


「は、離れてくださいまし!恥ずかしいですわ!」


「おっと。ごめんごめん。」


私は謝りながら姫ちゃんから離れる。


「とりあえず何を準備すればいいんですの?」


「ゲーム機本体とソフトかな。


ゲームにさえログインできれば後は私が説明するから。」


「分かりましたわ。では今日の夜にでもゲームで落ち合いましょう。」


こうして私は姫ちゃんにFWOをレクチャーすることになったのだった。

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