第106話 その重き刀は誰が為に振るうのかー11-

「くっ…強い…!」


ムサシの攻撃は一撃一撃がさっきより重く強いものとなっている。


さっきよりも段違いに強い。


けど…


「弾き返せないわけじゃ…ない!!!!!」


【やるようだが…さらに重くなるぞ】


「がっ…!」


重さを増した刀は私の腹に直撃して後方に吹き飛ばされる。


「きつ…」


私のDEFは0なので体力の大部分が持っていかれてしまった。


というか今の一撃で死んでいたはずだ。


「これのおかげってことかな…」


私は目の前で砕け散っている身代わり結晶を見る。


身代わり結晶があってもこの大ダメージだ。


次はないと思っていいかな。


「死んでないだけましだけど…これはきついね…」


【もう虫の息ではないか。言葉のわりには大したことはなかったな。】


「まだ負けてないから…!」


【その満身創痍の体で何が出来る。】


「お前に挑むのに何の対策もしていないわけがないでしょう?」


私はそう言って買い込んでおいた回復薬をがぶ飲みする。


これで体力は回復したけど…


もう身代わり結晶はない。


次食らったら終わる。


「素早く終わらせる。」


【それはこちらの台詞だ。】


「炎と…氷と…風!」


【三つの組み合わせか…ふん。それでも我には勝てんぞ】


「それは私も分かってる。


だからこうするの…よ!!!!」


私はユイノキラメキを地面に突き立ててムサシの周りを凍らせる。


あっという間にドーム状の分厚い氷に覆われた。


【これで閉じ込めたつもりか?甘すぎ…っ!まさか…】


「気づいちゃった?もう少し余裕でいてくれると面白かったんだけど」


私はそう言って氷のドーム内に氷と炎の槍を出現させる。


これだけなら普通に攻撃してるだけだけど…


私はさらにルルの歌の力を使いドーム内の敵…つまりムサシの攻撃と防御を大幅に削っているのだ。


これでさっきの攻撃も耐えきることが出来る。


これをやるためにムサシを閉じ込める必要があったのだ。


「これで終わりだよ。」


【まだ…】


「これで終わり!!!!!!」


私は一気に槍を投下させる。


【ぐぁぁぁ!!!!】


これを倒れるまで…と思っていたのだが…


【この体ではもう戦えんか…】


「?」


ムサシがそう言うと上空に巨大な穴が開いた。


そこから巨大なモンスターの体がこっちに向かって降ってくる。


【その体は用済みだ。返してやろう。】


ムサシはそう言うとムサシの体から抜けて落ちてきた体へと乗り移る。


【どうだ。これで貴様に勝ち目はない】


「…そんな当てやすい体でよくもまぁそんな自信満々に言えるね。」


私はムサシの元の体を頑丈な氷で覆った後巨人に乗り移ったムサシを見る。


…この場合ムサシっていえるのかな?


まぁめんどくさいしどっちでもいいか。


【当てられる前に踏みつぶしてやる】


「臨むところだよ。」


こうしてムサシ戦第二フェイズが始まるのだった。


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