第99話 その重き刀は誰が為に振るうのかー4―

白狐を助けた私はヤマトから移動してセルブレアに来ていた。


情報通りならここに大狐様がいるはずなんだけど…。


「さて…どこから探そうか?紺。大狐様が行きそうな場所とか分かる?」


「そうですね…大狐様は甘味が好きなので甘味処にいる可能性も…」


「甘味処かぁ…」


別のエリアにはあるんだけど…


このエリアにもあるのかな?


「じゃあとりあえず甘味処を探して…」


「おや…?そこのお嬢ちゃん達。


もしかしてあんた小さな狐の女の子の知り合いがいないかい?」


甘味処を探すために歩き出そうとすると女の人に話しかけられた。


このパターンってもしかして…。


「その女の子、どんな格好をしていましたか?」


「着物を着た子だったよ。確か自分のことを童って呼んでたっけね…」


「…紺。」


「はい。間違いなく大狐様です。」


「ここに来てたのは間違いないってことだね…」


「しかしもう既に移動されてしまったようですね…。」


「ちなみにその子と出会ったのはいつですか?」


「確か数時間前くらいだった気がするよ。


この街に甘味処はあるかと聞かれたからないって教えてあげたら


甘味処がある街を探しに行くって言ってたから…


冬の街って呼ばれてるスノーリアにでも行ったんじゃないかねぇ。


あそこには有名な甘味処があるし。」


「次は冬の街か…」


大狐様動きすぎでしょ…。


ここから冬の街までも結構遠いよね…


行くにはいくんだけどどうしようかな…


空を飛んでいけばいいとはいえ距離はあるし…。


「移動方法に困ってるのかい?」


「ここから冬の街まで遠くてですね…。」


「なら私のワイバーンに乗せていってあげよう。」


「ワイバーン?」


「ああ。うちの自慢の相棒さ。うちのワイバーンでなら一瞬だよ。」


これもユニークイベントの一部なのかな?


とりあえず言葉に甘えておこう。


「お願いしてもいいですか?」


「任せな!」


《セルブレアでワイバーン便が使用可能になりました。


NPC:ワイバーンライダーのオレヴに話しかけることで使用することが出来ます。


他の街に移動するとそこからも使用できるようになります。》


ワイバーン便…これで色んな街を短期間で移動できるようになるってことか。


これはいいシステムだね。


「さぁ二人とも飛ぶよ!乗りな!」


「はい!行こうか紺。」


「はい!」


「白狐もしっかり掴まっててね。」


「きゅい!」


「じゃあ行くよ!飛べ相棒!」


「ギャアアス!!!」


オレヴさんは私達をワイバーンに乗せると一気に空へと舞い上がる。


「向かうのは冬の街…スノーリアまで!」


その合図でワイバーンはスピードを上げてスノーリアへと向かうのだった。

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