第97話 その重き刀は誰が為に振るうのか―2ー
「それで…どうやって狐の国に行けばいいの?」
私達は狐の国へと行くことを決めた…のだが私は行き方を知らなかった。
前回は紺の不思議な術で紺の神社まで飛ばされただけだったし。
「狐の国とこちらの世界を行き来するにはお母さま…大狐様の力か《現世の鏡》というアイテムが必要なんです。
前回のように狐の国からなら一方的に招き入れたり出たりすることなら私にも出来ますが…」
「こっちからは出来ないってことね」
「はい…。」
「その大狐様は国にいるんだよね?」
「はい。」
「じゃあ《現世の鏡》を探すしかないってことかな。」
「…そう言えば大狐様はたまにこちらの世界へ遊びに行っていると言っていたような気がします。
今は流石にいないかもしれませんが…」
「鏡のありそうな場所に心当たりはある?」
「少なくとも私がいた神社の近くにはありませんでしたね…
大狐様曰く《現世の鏡》は一般人が触れてはならないものらしいので…
人里から離れた場所に置いてあるかもしれません。」
「紺は教えて貰ってないの?」
「はい。時が来たら教えるとしか。」
「とりあえず第四エリアに行ってみよう。」
紺に関係するクエストに必要な物ならば紺と出会った第四エリアの街…たしか今はヤマトだったっけ。
あそこにヒントがあるかもしれない。
私は第四エリアの中心…ヤマトへと向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヤマトに着いた私は装備の見た目を雪の着物にチェンジする。
ドレスだと目立っちゃうしね。
「さてと…情報集めと行きたいところだけど…」
「お嬢ちゃん。お狐様と一緒とは…もしかして大狐様の遣いかい?」
「ん?」
青色の着物を着た男の人が紺をチラリと見てから私に話しかけてくる。
お狐様…というのは紺のことだろう。
大狐様の話が出るってことは…条件を満たしたうえで紺を連れてくると発生する会話…ユニーク絡みかな。
「ええ。大狐様を探しているのですが…所在をご存じなのですか?」
「ああ。先日ここに立ち寄ってね。
次はセルブレアに行くと言っていたよ。」
…ん?
「今、セルブレアって言いました?」
「?ああ。言ったけど…それがどうかしたのかい?」
「いや…」
ここからセルブレアは結構離れている。
実際ここまで来るのに結構の時間が掛かった。
このゲームには街と街の転送ポータルとかがないから歩くか飛ぶかしかない。
またここからセルブレアに戻るってなると…また結構な時間が掛かりそうだ。
もしかして…
セルブレアに着いたらまた別の街に移動するとか…?
どこの犬だよ…。
まぁそれはいいや。
これは行ってみるしかなさそうかな。
「ありがとうございます。セルブレアに行ってみます。」
私は男の人にお礼を言うと街を出てセルブレアに向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます