第96話 その重き刀は誰が為に振るうのか ー1ー

「さてと…今日はどこを探索しようかなぁ?」


私はスノウとモココと第七エリアの草原に座りながら考えていた。


第七回イベントも終わったし…


第八エリア解放までも時間がある。


クロッツから聞いたユニーククエストのために狼狩りをするのもいいかも…


「スノウとモココはどこ行きたい?」


「きゅ~?」


「もこ~?」


「うーん。モココの進化アイテムを探しに行くのもいいかもねぇ」


「もこー」


「あの~。ユズさん…でしょうか?」


草原に座りながら日向ぼっこをしていると狐耳を付けた男の人に話しかけられた。


NPCで狐耳…紺の関係者かな?


「はい。ユズは私ですけど…」


「良かった。僕は猫斗。狐の国で郵便屋をしているものです。」


狐の国…それって確か紺のいた国だよね。


そこの人ってことは…これはユニーククエスト絡みかな?


「ちょっと待ってね。」


猫斗に待ってもらってクエストのところを確認してみる。


するとやはりそこにはクエスト進行中の文字があった。


クエスト名は…《その重き刀は誰が為に振るうのか》…。


ユニーククエスト 狐の国EXと書かれている。


開始条件は狐の国の姫…つまり紺を仲間にしていることかな。


他にも条件はあるかもだけど。


っとそれは置いといて。


「知ってると思うけど私はユズ。旅人って言えば良いのかな。」


「ユズさんのお噂はかねがね…うちの国でも英雄扱いですから。」


英雄って程のことはしてないんだけどね…。


ツバキさん達のこと助けただけだし。


「そうなんだ…。あ、それで私に何か用だった?」


「あ、そうでした!ユズさんと紺様にお手紙を預かってきたんです。


受け取ってもらえますか?」


そう言って猫斗は私に手紙を差し出してくる、


差出人のところにはツバキさんの名前が書いてあった。


「私と…紺に?」


「はい。とても重要な手紙なので必ず渡すようにと。」


「分かった。受け取るよ。」


私は差し出された手紙を受け取る。


「はい。確かに渡しました。それでは」


猫斗はお辞儀をしてその場を去っていった。


その後、呼び出した紺と一緒に手紙を読む。


『拝啓 ユズ様 紺 


お元気ですか?ツバキです。


こちらは元気…とは言えませんね。


実は問題が発生しまして…


最近狐の国の周辺で色々なものが切り刻まれる事件が発生しているのです。


私達も調査はしているのですが…


原因は分からずでして。


そこでお二人に調査をお願いしたいのです。


詳細は直接会ってお話しするので国に来ていただけると助かります。』


「なるほど…調査依頼ってわけね…」


「ユズさん!私…」


「分かってる。私もツバキさんのお願いには答えたいからね。」


「ユズさん…!ありがとうございます!」


「じゃあいこっか。第三エリア…いや狐の国へ!」


「はい!」


私達は問題を解決するべく狐の国へと向かうのだった。





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