第95話 第七回イベント 終結の第三回戦

『さぁイベントも大詰め!勝ち上がってきた二人の選手を紹介だー!』


ふりりんの声と共にモニターに二人のプレイヤーが映し出される。


『まずはAブロックを圧倒的な実力で勝ち残った猛者!


果たしてこの少女の進撃を止められるものは現れるのか!?


最強の魔王といわれるプレイヤー…ユズ選手!!!!!!』


「よろしくお願いします。」


私はペコリと頭を下げる。


『ユズ選手。意気込みをどうぞ!』


「ここまで来たんだから目指すは優勝かな。


どんな相手にも負ける気はないよ。」


『自信満々ですねー!では次の方の紹介に映りましょう!』


ふりりんは私から離れるともう片方の選手の方へと向かう。


『Bブロックを勝ち上がってきた強者!


魔王を倒す勇者となるのか!?


トップクラスのプレイヤー…オルタクロス選手!!!!!!!』


「へへっ!俺ちゃんが最強だぜ!」


『意気込みの方はどうですか?』


「余裕だぜ!ただのテイマーだろ?プレイヤーを攻撃すれば楽勝よ!」


『凄い自信ですね!今までの試合を見ていないみたいです!ご愁傷様!』


「ご愁傷!?」


ふりりん…男の選手の説明適当過ぎる気がするんだけど。


気のせいかな?気のせいか。


『では始めましょうか!第三回戦…スタートです!』


ゴングの合図とともにこのイベントのラスト試合が開始される。


「悪いけど負ける気はないから」


「へ!舐めプしても余裕だぜ!


だが俺はどんな弱い奴にでも本気で行くぜ!


これが俺の武器!風槍スワロゥズだ!


滅多にドロップしない激レア武器でこいつを装備するだけで風魔法が使えるんだぜ!」


「スノウ。」


私はスノウを召喚して戦う体制を整える。


ラスト試合だからもちろん相棒と一緒に勝ちたいよね。


「きゅ~」


「な、なんだよそのモンスター…見たことないぜ…」


「見たことないんだ?なら私の相棒の力見せてあげるよ。」


「お前さえ倒してしまえばそいつとは戦わなくていいぜ!


ウインドエッジ!」


オルタクロスは私に対してスキルで攻撃してくる。


これは受けたら危ないかも…。


「帝王の威圧」


「スキルが…消えた!?」


「どうしたの?私を倒すんじゃなかったっけ?」


「くそっ!舐めやがって!」


「キャラ崩れてるけど大丈夫?」


「うるせぇ!食らえ!ウインドスラッシュ!」


続けざまに攻撃を仕掛けてくるが私は全て帝王の威圧で打ち消す。


その槍で攻撃すれば普通に当たると思うんだけど…


まぁ私には関係ないか。


「今度はこっちの番だよ。


スノウ!ブレイズブリザード!!!!!!!」


《スノウのブレイズブリザードがコールドインフェルノに進化しました。》


ここで技の進化が来たか…。


「じゃあ改めて…スノウ!コールドインフェルノ!!!!!!」


「きゅうううううううう!!!!!!!!!!!」


「そんなのありかよおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


私がいる場所以外に氷と炎の柱が立ち、全てを凍えさせ焼き尽くす。


全てが収まったころにフィールドに立っていたのは私だけだった。


『試合終了!!!!!!!圧倒的な力でユズ選手がオルタクロス選手を完封しました!!!』


ふりりんの試合終了の合図とともに歓声が沸き上がる。


『いやあ凄い試合だったね。ユズちゃん。』


なんかすごいフレンドリーになってるし…まぁいいけど。


「うん。まぁ。クロッツ選手の方が強かったかな。」


『私も思った。』


司会がそんなこと言っちゃだめでしょ。


『さぁ!優勝したユズ選手にはトロフィーと豪華賞品が贈られます!』


「ありがとう。」


私はふりりんからトロフィーを受け取る。


豪華景品は後日プレゼントに贈られるらしい。


『第七回イベントはこれにて終了です!また次のイベントで!』


これにて私の第七回イベントは終了した…。


ーーーーーーーーーーーーーーー


『あれがユズというものか…童にふさわしい実力を持っておるじゃの。』


とある場所…とある屋敷の中…着物を着た女はクスリと笑うのだった。

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