第86話 vsカエンの聖獣戦

「エリアボスがいるところまで来たのはいいんだけど…暑いな…」


「きゅ?」


「ルル…」


スノウは大丈夫そうだね…まぁ炎属性付いてるしそりゃそうか。


ルシェリは今にも倒れそうって顔してるね…


「スノウ。ルシェリを冷やしてあげて」


「きゅ~」


「る~」


スノウの出した涼しい風を受けてルシェリは気持ちよさそうな顔をする。


うん。これでルシェリも大丈夫だね。


「さてと…多分エリアボスはここにいるはずなんだけど…ほんとにこんなところにクマがいるのかな?」


明らかにスノウみたいに耐性を持った生物じゃないと住めなさそうなんだけど…。


とりあえず辺りを探索してみようかな…?


『エン!』


「っ!」


私は突然の不意打ちをどうにか避ける


危なかった…一歩遅かったら思いっきり大ダメージだった。


「このモンスターは…」


前にも他のエリアで似たようなモンスターを見たことがある。


あの時は消えた後に結晶を落としたけど…。


もしかしたらあのモンスターと同じで結晶を落とすのかも。


そうだとすればあのモンスターはかなり強い。


私の想定している数倍は強いはず…。


慎重に行かないと…。


「といってもどうするか…相手がどう来るか…。」


私は距離を取りつつ相手の出方を見る。


『エン…』


どうやら相手もこちらの出方をうかがっているようだ。


「仕方ない…先手必勝だよ!ルシェリ!パラライズシャワー!」


「ルルー!」


『エンッ…』


ルシェリのパラライズシャワーで相手は麻痺になり動きが鈍くなる。


「どう?これで怖くないよ」


『エンッ』


モンスターの周りが光り輝いたと思ったらモンスターは何事もなかったかのように立ち上がった。


「自分で回復した…状態異常回復スキル持ち…」


状態異常回復があるなら麻痺はあんまり意味はないか…。


いつもやってる氷での足止めも意味はなさそうだし…。


厄介だな…。


スノウの攻撃も効きにくそうだし…。


モノの水ですら蒸発しそうだ。


「…いや。まだ道はあるね。状態異常を回復されるならそもそもスキルを使わせなければいい。


ルシェリ!スリーピングボイス!」


「ルルル~!」


『エ…ン…』


動きがまた鈍った…!


それに今回は回復スキルが発動しない…!


「畳み掛けるよ!ルシェリ!フェアリーボム!!!!」


「ルル~!!!!!!」


「私も…フェアリーオブジャッジメント!!!!」


『エン…』


ある程度攻撃するとモンスターは姿を消してしまった。


《バクエンの試練をクリアしました。》


アナウンスの後に私の手元にアイテムが現れた。


「やっぱり前回と同じか…」


私はアイテムの詳細を確認する。


ーーーーーー


カエンの結晶


カエンの聖獣が認めたもののみ手に入れることが出来る。


残り二つの結晶と合わせると不死鳥の試練へと挑戦することが出来る。


ーーーーーー


不死鳥の試練まであと一つってことか…。


「まぁ二回ともエリアボスと入れ替わって突然来たし


次もエリアボスかな…


それまでにもっと強くならないとね。


よし!行くよ第七エリア!どんなことが起こるのか楽しみだね。」


「ルル~!」


私は新たな出会いを求めて第七エリアへと足を踏み入れるのだった。











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