第82話 妖精の統べる国⑤

「さてと…外に出てきたはいいけど…どこから探そうかな…」


外に出たはいいものの…肝心な場所を聞くのを忘れてた。


まぁ自分で探せばいいんだけど…


「マップで怪しそうな場所は…ここかな?」


マップ上で唯一真っ黒に塗りたくられたあからさまに怪しい場所がある。


恐らく…というか間違いなくそこが敵の本拠地だ。


運営ももっと隠したりしないのかなぁ?


まぁ分かりやすいのはいいんだけど。


それはそうと…ここは…森…だよね。


「そうだ。せっかくだし飛んで行ってみよう。」


せっかく妖精の羽と浮遊のスキルがあるんだし使ってみることにする。


「おお…浮いた…このまま地図の場所まで飛んでいこうかな。」


私はマップを見ながら黒く塗りたくられた森へ向かって飛ぶ。


しばらく飛ぶと黒く淀んだ場所が見えてきた。


それと同時に大きな翼を持った生物も目の前に現れた。


「竜?鳥?…とりあえず確認してみよう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


闇鳥竜 ヴァディド


とある実験によって誕生した竜と鳥のキメラが闇の力を注ぎ込まれて変貌した姿。


竜の頃のほんの少し自我は残っているものの自身が何を守っていたのかは忘れており


現在は自身を闇に染めた者に支配されている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


もしかしてこの鳥竜が守ってたものが私の探してたお宝?


『ナンジハ…ワガアルジノ…セイイキヲオカスモノカ…?』


「…あなたは宝を守っていたの?その宝はどこにあるの?」


『カタルコトハ…ナイ!』


鳥竜は私の話を遮断して爪を使って攻撃してくる。


「あっぶな…!」


それをかろうじて避けるが私のSPDだと少し判断が遅れたらもろに攻撃を食らってしまうだろう。


その前に大ダメージを叩きこんで倒すしかない。


「そう…なら止めて吐かせるしかないよね。


変形武器魔法:幸…大剣!!!!!」


私は幸運の連弓から進化したスキル…変形武器魔法:幸を使い大剣へと変化させる。


この武器はATKを必要とせずLUKと同じダメージを相手に与えるスキルだ。


これならLUKしか振ってない私でも問題なく大きなダメージを与えることが出来る。


『ナ…ナンダソノセイナルチカラハ…!』


「幸運の力だよ。」


鳥竜は変形武器魔法:幸を見て恐怖の表情を見せる。


もしかして闇に染まったモンスターにはこれが有効なのかな?


まぁ何でもいいけど。


『ソンナモノ…ケシサッテクレルワ!!!!!』


そう言って鳥竜は大きな口を開けて紫のエネルギー砲みたいなものを撃とうとしてきた。


あれを食らったら多分不味い…!


武器もろとも私も消し飛ばされる…。


盾に変形させて防ごうとしてもそれごと消されたら意味ないし…。


「ならここは一か八か…!召喚!モココ!


からの武器変形!槍!そいやぁ!!!」


私はモココを召喚する。


ちょっと重いけどモココの体重くらいならどうにか頭で支えられる。


「もこ~」


「モココ!槍を風でブーストして!」


「もこ~!」


槍を投げてそれをモココの風でブーストしてあの鳥竜の口にぶち込んだ。


『グガッ!?』


「今だ!武器変形!大剣!」


『ナニ…グォ!!!』


槍から変形した大剣が鳥竜の体を突き破って出てくる。


『キサマ…ナニヲシタ…』


「何って…いや…そうね。


答えることはないわ。」


『グェエ…』


そのまま鳥竜はポリゴンとなって消えていった。


《サブクエスト:宝物を探してをクリアしました。》


やっぱりあの鳥竜が守ってたのが私の探してたお宝で当ってたみたい。


…というか女王様の言った通りルシェリは連れてこなくてよかったよ…。


もし危険な目に会ってたら危なかったからね。


「ドロップは竜のウロコに鋼鉄の羽…それに闇のオーラ…使い道は後で考えよっと。


…さてと続けて女王様の言ってたフォールンウルフを倒しに行きますかね」


私はドロップしたアイテムを確認した後、本命であるフォールンウルフを倒しに行くべく移動するのだった。














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