第79話 妖精の統べる国 ②
女王の部屋を後にした私はルシェリの案内でフェアリアを見て周ることにした。
ちなみに通訳を頑張ってもらった紺には休んでもらっている。
後でご褒美あげないとだね。
「さてとフェアリアのお店には何があるのかな」
『ルル~』
「あそこの店がおすすめなの?」
『ルルー!』
ルシェリは勢いよく頷く。
「じゃあ行ってみようかな。すみませーん!」
『ルル~!』
『いらっしゃい!…おや!あなたがユズ様ですね!お噂は聞いておりますよ!
なんでもあの厄災に喧嘩売ったとかなんとか』
「間違ってはないんだけど間違ってる…というか街の人は普通に喋れるんだ。
そう言えば女王も普通に話してたけど…。」
『妖精族はある程度成長すると自然と喋れるようになるんですよ。』
「なるほど…」
アルラやルシェリはまだ成長しきってないから喋れないってことか。
『それで…何か買っていきますか?』
「あ、そうだった。この店は何を売っているの?」
『妖精の術…ユズ様のところでいうスキルを習得するために必要な術書とか
女王様の加護が込められた髪飾りとか色々ありますよ。
フェアリア特産の妖精団子もおすすめです。』
「妖精の術…ここで売ってるのは妖精の羽を生やすスキルとスキルの発動を短縮するスキルか…
両方買おうかな。
それとその髪飾りも。」
「まいど!」
早速買ったスキルを習得して発動してみる。
私の背中から綺麗な羽が生えてきた。
『ルル~』
「ルシェリともお揃いだね。」
『ルル~♪』
ルシェリは嬉しそうに私の周りをクルクルする。
『とてもよくお似合いです!』
「ありがとう。
じゃあ私達はこれで…」
『…あ、そうだ!ユズ様ならこれ分かるかもしれません。
持っていってください。』
「?」
店員さんはそう言って一枚の紙を渡してきた。
「これは…地図?」
それはフェアリアの地図と思わしきものにバツマークが付いたものだった。
『昔からフェアリアに伝わる伝説の宝が埋められていると言われている場所の地図です。
誰も見つけられないことから《幻の宝》といわれています。』
「幻の宝…」
『その調査…引き受けてはいただけませんか?都合のいい時でいいので…』
《クエスト:妖精の国の大秘宝を引き受けますか?》
うーん。とりあえずレベル上げから始めたいところだけど…
この大秘宝も気になるし…。
どうしようかな…?
『ルル…』
「ルシェリも大秘宝気になるの?」
『ルル~!』
そう言うとルシェリはクルクルと飛び回って喜ぶ。
「じゃあ行ってみようか。」
『ルルル~』
こうして私は宝さがしに乗り出すのだった。
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