第74話 妖精を追って④

ユウラさんとプラチナゴーレムナイト倒した次の日…


FWOへログインした私はユウラさんに教えられて場所へと向かっていた。


私の役に立つ人って…誰だろう。


クエストの役に立つ人ってことなのかな…?


「あ、ここだ。すみませーん。」


ドアを叩いて声を掛けてみるが応答はない。


もしかして出かけてるのかな?


また日を改めて来た方がいいかな?


「…なんだ」


立ち去ろうとするとドアが開いて不機嫌そうな男の人が顔を出した。


この人が私の役に立つ人かな…?


ちょっと怖そうな人だけど…


大丈夫かな?


「ユウラさんの紹介で来たんですけど…」


「ユウラの…?ああ…お前がユウラの言ってた…入ってくれ。」


「は、はい…」


どうやら私のことはユウラさんから聞いているらしい。


私は案内されるがままに中へと入る。


「俺の名前はグラ。錬金術特化でプレイしている。ユウラとは顔なじみでな。


あいつの頼みを断ると怖いんだよ…。


笑顔で迫ってきてな…。」


グラはさっきとはまるで別人のような顔をして震える


「ってことだ。ユウラの紹介なら依頼を受けてやる。用件を言え」


「実は…」


私は今やってるクエストの話をグラにする。


「なるほどな。確か妖精の刻印を施すための錬金術が最近追加されたはずだ。


そいつを使えば聖杯に妖精の刻印を付与することが可能なはずだ。


5000Gで請け負ってやる。」


「いいの?」


「ああ。本来なら20000G…って言いたいところだが…


お前はユウラの紹介したやつだからな。


特別サービスってやつだ。


ユウラからも言われてるしな…」


「あはは…ありがとうございます」


そんなにユウラさんが怖いのかな…。


まぁそれはいっか…。


「はい。」


私は5000Gをグラに渡す。


「確かに受け取った。材料は揃ってるから今すぐにでも始められるが…


今からやるか?」


「お願い。」


「分かった。これを広げて…聖杯をそこに置いてくれ。」


私は言われた通りに聖杯を魔法陣の真ん中に置く。


「じゃあ始めるぞ。」


グラがスキルを発動すると聖杯に小さな妖精の羽の刻印が刻まれた。


「これで完成だ。」


「ありがとう。」


「いいってことよ。あ、フレンド登録するか?


ユウラとはしたんだろ?」


「うん。はいこれ。」


私はグラにフレンド登録を申請する。


「申請承諾したぜ。これからも贔屓にしてくれよな。」


「何かあったらまたお願いしに来るね。じゃあ」


「またな」


私はグラに手を振って別れの挨拶をしたあと外に出た。


次は聖水を手に入れるために泉を探すことにしよう。


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