第63話 第五回イベント 運営からの依頼
探索を終えたルミと私は合流し、私達は拠点に戻るべく帰りの道を歩いていた。
「どうだった?何か見つかった?」
「うちの方は木の身とかたくさん見つけたよ!食べれそうなキノコとかも採ってきた!
そっちはどうだった?」
そう言ってルミは自信満々に採ったものを見せてくる。
明らかに紫色のやばそうなキノコあるけど…。
見た目で判断しちゃいけないよね。うん。
「私の方はモンスターがドロップしたお肉と…あとルルが捕ってきてくれた魚とか貝とか。
あとはこれ。」
「これは…ウロコ?」
「何かのイベントのものかな~とは思ってたんだけどわかんないから運営に写真付きで調査依頼を送っといたの。」
「返事はどう?」
「今のところはまだ…あ、今ちょうど来たみたい。」
話してたら運営からのメールが返って来た。
『プレイヤーユズ様。
この度はメールをいただきありがとうございます。
調査の結果ですが送っていただいた写真のものは《変化カメレオンのウロコ》であると判明いたしました。
変化カメレオンはご参加いただいているイベントでは出現しないモンスターとなっています。
このウロコは不正に持ち込まれた物の可能性があります。
つきましてはユズ様に不正持ち込みを行った人物の確保を行っていただきたいです。
勝手なお願いではありますがよろしくお願いします。』
「ってことみたい。」
「不正な持ち込みアイテム…。」
「運営の目を掻い潜って不正が出来るんだからもっと仕掛けを用意しててもおかしくない…。」
そうなるとルルだけじゃ太刀打ちできないかもしれない…。
他の子の力も借りた方がいいし運営に頼んどこうかな。
『返信ありがとうございます。
調査のために私に掛けられている召喚制限を解いてもらえないでしょうか?
事が済み次第戻してくれれば大丈夫なので』
メールを打つとすぐに返信が返ってきた。
運営って暇なのかな…?
『承知いたしました。
現在ユズ様に掛けられている召喚を一日一体にする制限を解除します。
報告をお待ちしています。』
「召喚!スノウ!」
「きゅ~」
「ほんとに解除されてる…これで怖いものなしだね。
スノウ、怪しい気配を感じたら教えてね。」
「きゅ」
「スノウちゃんもふもふだね~」
「うちのスノウはモフモフだけじゃないよ。」
「ギャギャギャ!」
そんなことを話していると前から少し大きいゴブリンが襲い掛かってきた。
さっき出会ったモンスターよりも大きいくらいかな…。
まぁとにかくここでもたもたしてるわけにはいかないよね。
「スノウ!アイススラッシュ!」
「きゅうううう!!!!!!」
「ギャギャアアアア!!!」
ゴブリンはアイススラッシュで一瞬でポリゴンとなって消えた。
「スノウちゃん強いね!うちもこんなにもふもふで強いテイムモンスターちゃん欲しい~」
「じゃあ今度探しに行く?」
「行く行く~!テイムの腕輪も用意しとくね!」
「あ、もうすぐ拠点に着くね。」
「…何ですかあれ」
「何って…なんだろう…?」
呆然とするルミの視線の方向を見るとうねうねと動く触手を持った何かがいた。
あの様子だと拠点は覆いつくされているみたい。
ノエカ…無事だといいけどなぁ。
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