第50話 第五エリア到着といきなりのイベント

「着いたよ第五エリアー!」


「わーい!!」


エリアボスを撃破した私達は第五エリアへと足を踏み入れていた。


「さてと…まずは…」


「どどど、どいてくださーい!」


「おわっ!!」


街の中をを散策しようとしたところで突っ込んできた女の子にぶつかった。


カーソルの色的にNPCみたいだけど…何かのイベントかな?


「いつつ…」


「す、すみません!怪我はなかったですか?」


「少し痛かったけどこっちは大丈夫。そっちは?」


「私も大丈夫です!」


「凄い急いでたみたいだったけど何かあったの?」


「そ、そうでした!早く急がないと!失礼します!」


そう言って女の子は走って行ってしまった。


「うーん。」


「どうかしたんですか?」


「あの子すごい慌ててたけどどうしたのかなって」


「確かに普通じゃない慌てようでしたね」


何かのイベントのような気がするし追いかけた方がいいのかもしれない。


けど街の中を見てからでも遅くない気は…


いや…このゲームはNPC生き返らないから…


仮にこれが何かのイベントの始まりだったとして


この先にモンスターがいたら女の子は助からない…


「…追いかける以外の選択肢はなさそうかな。


スノウ。お願いできる?」


「きゅ」


私はスノウを呼び出して背中に乗せてもらう。


スノウのスピードなら今からでも追いつけるはずだからね。


「紺。さっきの子の匂い覚えてる?」


「ばっちりです!あっちから同じ匂いがします!」


「スノウ。紺が言った方向に進んで。少し早めのスピードで。」


「きゅ!」


そう言うとスノウは足から炎を噴射して普通よりも速いスピードで走り始めた。


「この近くのはずです。」


紺に言われて私は周りを見渡して女の子を探す。


特徴的は水色の髪をしてたからすぐに分かるはず…。


「いた…ってもうピンチになってる…」


見つけた女の子は体はボロボロで魔物に取り囲まれてもう限界そうだった。


探しに来て正解だったね…。


「スノウ!アイススラッシュ!」


「きゅー!」


スノウにモンスターをなぎ倒してもらうと私は女の子に近付いた。


「大丈夫?」


「あ、あなたは先ほどの…助けていただいてありがとうございます。


危うく殺されるところでした…。」


「怪我は…たくさんしてるよね…見るからにボロボロだし…


これでよければどうぞ。」


NPCに聞くのかは分からないけど店で購入した回復薬を渡してみる。


「あ、ありがとうございます!このお礼はいつか必ず…!


あ、申し遅れました。私はシンシアと申します!」


《シンシア・E・アルネストとの親密度が2になりました。》


親密度…そう言えば運営から新機能のお知らせが来てた気がする。


確かNPC…俟ちの人と仲良くすると親密度が上がっていいことが起こるんだっけ。


まぁ親密度のために渡したわけじゃないんだけど…


これは喜んでいいかな。


「私はユズ。よろしくね。


そう言えばシンシアは何か急いでたんじゃないの?」


「そうでした!早く冒険者の人を呼びに行かないと…!


海の魔王…シードラゴンが出たんです!」


「シードラゴン…ってどんなモンスター?」


「シードラゴンはこの海を支配していると言われている巨大な太くて長い蛇です。」


「蛇?ドラゴンって言ってるのに?」


「ドラゴンみたいに強くて凶暴だからドラゴンって呼ばれてるんです。」


「なるほどね…それが出たから急いで冒険者を呼びに行こうとしていたと。」


「はい。今はまた海に潜っているみたいなんですがまたいつ出てくるか…」


「私が倒そうか?」


「へ?」


「私、こう見えても冒険者なんだよ。」


「ユズさんが…いいんですか?」


「うん。」


シンシアは少し考えた後、こちらに向きなおした。


「お願いします。ユズさん。シードラゴンを倒してください。」


「任されました…とその前に準備しないとね。」


私はシードラゴンを倒すための準備をするべく買い物へと向かうのだった。





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