第40話 第4エリア到着と突発イベント

「第4エリア到着!」


「きゅ~!」


第三エリアのエリアボスを難なく突破した私達は第四エリアである大和の街へと足を踏み入れた。


ここは和風なエリアになっているようで辺りには仏像だったり昔の日本っぽい家だったりが並んでいる。


NPCであろう人たちの服装も昔の日本みたいな着物の恰好だ。


「とりあえず街の中散策してみるかなぁ」


「何だ嬢ちゃん。見慣れない恰好してんな」


街の中を散策するために歩き出そうとすると一人の男の人に話しかけられた。


何かのイベントなのかな?


「外から来たものでここの恰好の服を持ってないの。」


「そうか。それならちょうど良かった。これを貰ってくれないか?」


そう言って男の人が渡してきたのは雪柄の着物だった。


スノウと同じ色で綺麗な色だ。


とりあえずアイテムの詳細を見てみる。


ーーーーーーーーーーー


雪の着物


とあるお姫様が昔着ていた着物。


装備欄から見た目に設定可能。


ーーーーーーーーーーー

お姫様が使ってた着物かぁ……。


高級そうだけど……


「本当にタダでいいの?」


「ああ。娘が着なくなった奴だからな。遠慮なくもらってくれ」


「じゃあ遠慮なく。」


私は装備欄を開いて雪の着物を見た目に設定する。


見た目が変わるだけでステータスなんかは変わらないみたい。


「似合っているじゃないか。嬢ちゃんにあげてよかったよ。」


「ありがとう。おかげで違和感を持たれずに街を散策できるよ。」


「俺はもう行く。また会えた時は一緒に戦えるといいな。」


そう言って侍の男の人は歩いて行ってしまった。


「…最後の台詞ってなんかのイベントの発生フラグなのかな?」


なにか大きな戦い系のイベントが起こる可能性があるとか…?


まぁとりあえずその時になったら考えよう…。


「さてと…行きますか…」


私は改めて着物に身を包み街を歩く。


後は簪なんかがあればよかったんだけど…まぁ良しとしよう。


「さて……まずはどこに……」


「あ!ユズさーん!」


街を歩いていると見知った声に桃色の髪が目に入った。


「奇遇だね。モモ。今ここに来たの?」


「はい。さっきエリアボスを倒しまして。ところで…」


「ん?」


「その着物どこで買ったんですか!?可愛いです!」


モモは食い気味にそう言ってくる。


興奮気味なモモ……控え目に言って可愛い…じゃなかった。


「これは貰い物なの。ランダム発生イベント…だと思う。

もしかしたら何かのクエストの始まりかもしれないんだけどね」


最後のセリフ何か意味深だったし……調べてみる価値はありそう。


「なるほど…」


「それはさておき…モモはどこへ向かう途中だったの?」


「私も着物を調達しに行く予定だったんですよ。


やっぱりこの服だと目立つみたいで。」


「私も行こうか?このまま街を見て歩く予定だったし」


「ほんとですか!?ありがとうございます!ユズさんとお買い物デートなんて嬉しいです!」


そう言いながらモモはるんるんと前を歩く。


それに私も続く。


この後モモとたくさん買い物して楽しんだのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る