第41話 鳥居と鬼とフード

モモと買い物を楽しんだ後、モモと別れた私は街の外のフィールドへと出ていた。


なぜかというとスノウが何かの気配を感じ取ったからである。


「スノウ。気配は近づいてきた?」


「きゅ…きゅ…?きゅ!」


スノウは辺りをきょろきょろした後私の服を引っ張って走り出した。


どうやら何かを補足したらしい。


「これは…鳥居?」


スノウに引っ張られて連れてこられたのは大きな鳥居のある場所だった。


神秘的だけど何か禍々しい気を感じるような気がする…。


でもうだうだ言ってても仕方ないし、とりあえず鳥居の先に進んでみようかな…?


「ん?なんかアイテムボックスに反応が…」


鳥居の先へと進もうとするとアイテムボックス内の何かが反応した。


確認をするとそれはクジ引きで手に入れた大鬼の角だった。


そう言えば詳細のところに神社に持っていくと何かに襲われるって書いてあったような…?


『はああああああああ!!!!!!!!』


「!?モココ!もこもこウォール!」


何かが急に襲われて攻撃されるがどうにかモココに防いでもらう。


『この俺の攻撃を防ぐたぁやるじゃねえか人間の女…』


私の前に姿を現したのは短い角をした


「凄いのは私じゃなくてこの子だけど。


…で?いきなり攻撃してきたのはどういう用件?」


『…お前から忌々しいオーラを感じたんだよ。


先代の鬼の王のな』


「オーラの元ってこれ?」


そう言って私は大鬼の角を鬼に見せる。


『…やっぱりな。なんでお前がそれを持ってんだ?それは呪いのアイテムだ。


この世界にあっちゃいけないものなんだよ。


今すぐにそれを渡せ。


さもなくば…お前を殺して奪う。』


「よく分かんないけどとりあえずあなたがめんどくさそうなのはわかった。


あとこれは渡さない。」


素直に渡して罠だったら困るの私だし。


取り込まれて新しい鬼の王?とやらになられても困るからね。


「戦えと言うのなら戦うけど?」


『…勝てると思ってるのか?この俺に?』


「勝てると言ったら?」


『は!ほざけ!俺に勝てる奴なんているわけがない!俺は最強なんだよ。』


「なら試してみる?」


『教えてやる!俺の名はゴウガ!最強の鬼人だ!』


そう言って鬼…ゴウガは私に攻撃を仕掛けてくる。


…けど今までの敵と比べたらそこまでの速さじゃない。


私がやばい敵と戦いすぎたせいかな…?


さっきは不意打ちだったから強く思えてただけなのかもしれない。


「スノウ!サークルブリザード!」


「きゅ!!!」


ゴウガの足を凍らされて身動きを取れなくする。


「これで止めだよ。スノウ!ブレイズブリザード!」


「ぐあああああああああああ!!!!!!!!」


スノウの攻撃を受けたゴウガは大きく吹き飛ばされて倒れた。


『俺より強い奴がいるなんて…ん?なんで俺はそんなことを…?』


「いや私より強い奴なんて五万といると思うけど?」


これでクエスト終わり…なわけはなく。


ゴウガをここに向かわせた黒幕がいるはず。


なんでゴウガが自分より強い奴がいないと思ってたのはわかんないけど暗示を掛けられていた可能性はある。


でないとあんな感じにはならない…はず。


つまり黒幕がいるというわけ。


「教えて。あなたをここに寄こしたのは誰なの?」


『…詳しくは覚えていないがフードを被ったやつにお前は誰よりも強いって吹き込まれた気がする…。』


「それは一体誰に…」


『負けてしまったのか。やっぱり素体が弱いのはだめだな。』


「誰?」


いつの間にかフードを被った男がそこにはいた。


ほんとにいつ現れたんだろう…?


『俺は…そうだな。そいつをお前と戦うよう仕向けたやつだよ。


そいつが鬼の角を奪ってくれると思ったんだが…まぁいい。


ふん。』


謎のフードはゴウガの体を何かの力で宙に浮かすとそのまま自身に取り込んだ。


するとそいつの体はごつくなり頭からは角が生える。


吸収する系の能力を持ってるみたい…。


『さぁ!俺を楽しませてくれよ!』


そう言ってフードは私に襲い掛かってくるのだった。



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