第35話 弔いと進化
「戻りましたよー。モココもお疲れさま。」
「モコ~」
私は兵隊さんに帰った報告をしつつモココを撫でる。
「ほ、ほんとに倒したのか…?あの怪物を…」
「はい。まぁてこずりましたけどなんとか。」
「嬢ちゃん…ほんとに強かったんだな…」
「だから言ったでしょう?あなたたちより強いって。」
まぁほんとは強いのはスノウたちなんだけど…
それは黙っておいてもいいかな。
「街まで送っていきますよ。私も行かないといけないとこあるからついでに」
「ああ…それは助かる…がその前に仲間たちの弔いをさせてくれ。」
「分かりました。それなら…モココ…あの人たちを埋めてこれを立ててあげて」
「モコ~」
モココに頼んで亡くなった兵隊さんの遺体を地面に埋めて墓標を立ててもらう。
地面はカチカチだし刺すものもアイテムボックスにあった適当な棒しかないけど。
まあないよりはいいでしょ。
「形だけでもやってくれて助かる」
この戦いで彼以外の仲間は全員亡くなってしまったらしい。
このゲームはNPCは死んでしまったらもう同じNPCは出てこない。
男だろうが女だろうが若かろうが老いぼれだろうがリアルと同じで死んだら終わり。
私が蘇生スキルでも持ってればよかったんだけど…それも遅い話かな。
まぁそもそもNPCに通用するのかはわからないんだけど。
「…」
目を瞑って静かに手を合わせる兵隊さんの横で私も手を合わせた。
「…よし。ありがとう。モコモコも仲間たちを埋めてくれてありがとうな」
「モコ~」
「もう怪我は大丈夫なんですか?」
「ああ。モコモコの背中で休ませてもらったからな。
嬢ちゃんが戦いに出てる間にだいぶ良くなった。」
「それはよかった。では改めて戻りましょうか。」
「ああ。」
私は兵隊さんを連れて冬の街へと戻った。
街へ戻った私達は門の前で別れることになった。
兵隊さんは今回のこと…仲間のことを上に報告しに行くらしい。
「今回は本当にありがとうな。何かあればいつでも俺を頼ってくれ。
今回は負けちまったがこれでも腕は立つ方なんだ。」
「はい。その時はお願いします。では」
そういって私は兵隊さんと別れて教会へと向かった
ーーーーーーーーーーーーーーー
「いらっしゃいませ。お祈りですか?」
「いえ。マザーに用があります。」
「…こちらをお通りください。」
マザーに用があることを伝えると受付のシスターは最初に来た時と同じ入口を開けてくれた。
階段を下りてマザーのいる部屋へ向かう。
「マザー。戻りましたよ。」
「その様子だと無事にアイテムは集まったようですね。」
「やっぱりわかるんですね。」
「はい。では手に入れたアイテムをそこの祭壇へ」
私はマザーに指示された祭壇へと3つのアイテムを置く。
そしてアーティファクトを置く。
最後にスノウを座らせた。
するとスノウの体にアイテムとアーティファクトが吸収され始めた。
そしてスノウは光り輝き…姿を変えた。
「これが…新しいスノウ…」
新しいスノウは角は一本のままだが体が水色とオレンジに変わっている。
モフモフだった部分はそのままで尻尾が長くなった。
「えっとステータスは…」
スノウ
スノーブレイズユニコーン(激レア)
レベル25
デュアル属性
ATK220
MAG220
DEF0
SPD320
LUK0
スキル
アイスホーン
スノーショット
サークルブリザード
サークルヒール
スノーサイクロン
アイススラッシュ
ブレイズブリザード
ブレイズスラッシュ
ブレイジングホーン
ーーーーーーーーーー
「おおう…とんでもなく強くなってる…レベルも上がってるし…」
レベルだけじゃなくステータスも0以外の振ってあったところが100ずつ上がっている。
デュアル属性なんて知らないワードも出てきてるし…
これは調べないとダメかな…。
「これは…見たことない進化です…前に見たスノーユニコーンとは違う…」
「そうなんですか?」
「ええ…もしかしたらなにかの条件で分岐したのかもしれませんね…
もしくはあなたが幸運をもたらしたか…。」
「どうしましたか?」
「…いえ。何でもありません。」
「ではマザー。私はこれで行きますね。」
「はい。あなたに神のご加護があらんことを。」
私はマザーに挨拶をして教会を後にした。
マザーの反応が気になったけど…まぁいいか。
次はとりあえず第3回イベントに向けて準備かな…。
「とりあえず買い物しに行こうかな」
私は第3回イベントに向けて準備をするため買い物へと向かうのだった
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