第33話 休憩と噂話

「さて…探すとは言ってもどこを探そうかな…?」


一旦冬の街へと戻った私は大きな一角獣がいる場所のヒントを探すべく街の中を歩いていた。


街の中では


ここに来た時は教会しか見てなかったしついでに色々と見てみようって感じでもあるけど。


「あ、甘味処がある。ちょっと入ってみようかモココ。」


「モコ~」


きょろきょろと辺りを見ながら歩いていると一軒の甘味処を見つけた。


ここで休憩しながら作戦を練ることにしよう。


「いらっしゃいませ―!」


のれんをくぐると大きな挨拶が耳に入ってきた。


「何名様ですか?」


「一人…と一匹なんですけどテイムモンスターって大丈夫ですか?」


「はい。ここではテイムモンスターちゃん用のスイーツもありますから!


お席へご案内しますね。こちらにどうぞ」


店員さんに案内されて私は席に座る。


「お水と…こちらがメニューです。


ご注文が決まったらそのベルで知らせてください。」


そう言って店員さんは仕事に戻っていった。


「さて…なにを頼もうか…スノウたちにもお土産に持って帰りたいね。


後で聞いてみようか。」


「モコ?」


「モココはどれが食べたい?」


「モコ…モコ~」


モココはちょっと悩んだ後テイムモンスター用メニューの中のわたがしを短い足で指した。


なんというか…もこもこがもこもこを食べてる図って共食いにしか見えない…。


けどまぁモココが食べたいって言うんだしいいだろう。


「私は…これかな。すみませーん。注文お願いしますー!」


「はーい!お伺いしますね」


「えっと…この煌めく雪あんこぜんざいともこもこわたがしお願いします。


あとお土産用に雪あんこ団子の6個入りを4セットで」


「はーい!雪あんこぜんざいともこもこわたがしを一つずつ


お土産の雪あんこ団子を6つですね!


しばらくお待ちください!」


「たのしみだねぇ」


「モコ~」


「…なぁ知ってるか?凍結の平原の噂…」


「…ああ。なんでも…だろ?」


モココの頭を撫でながら頼んだスイーツが来るのを待っていると他のNPCの客の会話が聞こえてきた。


どうやら何か噂話をしているみたいだけど…?


気になるしちょっと聞いてみよう。


「すみません。」


「お、テイムモンスター連れの嬢ちゃん。どした?」


「私はユズって言います。さっきのお二人のお話が聞こえてしまって…


凍結の平原の噂話、私も聞かせてもらっていいですか?」


「おお。ユズちゃんもこの噂話が気になるのか?いいぜ。


この街から少し行ったところに凍結の平原ってところがあるんだけどな?


そこに馬型のアンデットモンスターが出るらしいんだよ。


しかも二本角の。


珍しいだろ?」


角が生えた馬型モンスターって…ユニコーンの進化系なんじゃ…?


行ってみる価値はありそうだね…。


「貴重なお話ありがとうございました。ではまた」


「これくらい大したことねえよ。またな」


二人に挨拶をして私は席に戻った。


「お待たせしました!こちら雪あんこぜんざいともこもこわたがしになります!


ごゆっくりどうぞ!」


そう言って店員さんは運んできたスイーツを置くと厨房に引っ込んでいった。


「…うん。すごい。おいしい。またこよう。」


私はスイーツを平らげると凍結の平原へ向けて出かけるのだった。

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