第29話 進化の謎を追って

「今度こそ図書館に着いた…」


寄り道をしたもののどうにか図書館に辿り着いた。


「普通に入ればいいのかな…おじゃましまーす。」


中は静まり返っていて人の気配はない。


ほんとにやってるのか疑いたくなるくらいだ。


「…いらっしゃい。王都図書館へようこそ。本日は何用で?」


「!?」


どうすればいいのか困っているととても低い声で声を掛けられた。


誰もいないと思っていたんだけど…。


雰囲気からしてここの管理人さんのようだ。


「…おやびっくりさせてしまったようですまない。


私はオルド。ここの管理人をしているものだ。


ここに人が来るのは20年ぶりかな…?


王都に住む人間は古い本なんかには興味はないようでな…。


改めて問おう。君は何を求めてここに来た。」


「私はモンスターの進化について調べに来たんです。


ここの場所は鍛冶師のロゼアさんに教えて貰いまして。」


「ロゼア…ああ…あの物好きな鍛冶職人か。」


「知ってるんですか?」


「ああ…。随分と前…もう20年も前になるが…ここに来たことがある。」


20年前にここに…?


ロゼアさん…若そうに見えたけどいったい何歳なんだろう…?


まぁそれは置いといて。


「それで…ありますか?進化についての本。」


「ああ…あるぞ…かなり古い本でな…お前さんに読めるかどうかは分からんが。


こっちだ。付いてきてくれ。」


そう言ってオルドさんは図書館の奥へと歩いていく。


それに付いていくと奥の部屋へと案内された。


「ここには100年以上前の本、文献が保存してある。


テイマーとテイムモンスターについての文献もある。


好きなように読んでいくといい。


まぁ解読できれば…の話だが。


さっきも言ったように昔の文献は昔の言語なんかで書かれている場合がある。


お前さんじゃ読めない場合もある。」


「はい。」


「本はジャンルごとに分けてある。


テイマー関連の本はあそこだ。


他の本も興味があれば読んでいくといい。


私は入り口にいる。


何かあれば呼びに来てくれ。」


「分かりました。」


私にそういうとオルドさんは入り口の方へと戻っていった。


「さて…と。とりあえず調べてみますか。とりあえずこれを…」


私はテイマーの資料が置かれているコーナにある本を一冊取ってみる。


「…オルドさんの言ってた通り昔の文字で書かれてるっぽい。」


絵と文字が書かれているが文字の方は何が書いてあるのか全く分からない。


絵の方は…角が生えた白い馬に3つの何かを捧げていて次のページではその馬が二本の角を生やしていた。


これは…スノーユニコーンかな…?


スノウの特徴と一致してるし。


そしてこの捧げられた3つの何か。


一つは結晶のようなもの。


これはさっきくじで当てた氷結晶に似てる…。


一つは羽のようなもの。


これは分からないけど氷属性のモンスターの羽だろうか?


そしてもう一つは光輝く何か。


これが一番分からない。


そしてもう一つその上に浮いている球体のようなもの。


これは進化のアーティファクトだろう。


形と模様が一致している。


「もう一ページある…」


次のページを開いてみる。


そのページには先ほどのアイテムの絵と風景の絵が描かれていた。


「ここにそのアイテムがあるってこと…?


羽は霧と吹雪がすごい山に…


光り輝くものは海底の奥底に…」


これをヒントに探せばアイテムが見つかるかもしれない。


文字は読めないから正確な場所は分からないけど…。


とりあえずスノウと一緒に探してみようかな。


「よし…さっそくまずは山から行ってみよう。」


私は本を元の場所に戻して部屋を出る。


「オルドさん。ありがとうございました。また来ます。」


「探し物。見つかるといいな。またな。」


私はオルドさんに挨拶をしてから図書館から去るのだった。




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