第26話 進化のアーティファクト
「今回はシェルナが世話になったな。
俺はロゼア。こいつの師匠だ。」
「私はユズ。テイマーです。」
工房に招かれた私はシェルナの師匠であるロゼアさんと対面していた。
ロゼアさんはいかつい男性で顔は怖そうだけどとっても優しい人だ。
見た目に似合わず紅茶も出してくれたし…。
「それで…ここまで付き合わせた礼になにか渡したいんだが…何がいい?
大抵の武器や防具は渡せると思うが…
あんたが要りそうなのはここら辺か?」
《選択肢:①進化のアーティファクト
②龍殺の剣
③魔封じの盾》
「うーん…。欲しいとしたら進化のアーティファクトかな」
正直どれもすごそうで欲しいけど私は剣と盾は使わないし…。
「そうか。なら遠慮なく受け取ってくれ。シェルナ。」
「はい!師匠!ユズさん。これをどうぞ。ユズさんから頂いた素材を使ってさっき作ったんです。」
そう言って球体の機械ようなものを渡してきた。
これが進化に関係するアーティファクト…。
「これどうやって使うんですか?」
「さぁ?俺たちにも使い方は分からん。
あくまで俺たちはアーティファクトを再現できるだけ。
使い方は知らん。
ただ…」
「ただ?」
「ひとつ気になる話があるんだ。
とある冬の街でこのアーティファクトで進化した馬がいるらしい。
どこの街なのか…どのモンスターなのかは分からんが…
テイムされたモンスターだったらしいぞ。」
「じゃあ私もその冬の街に行けば進化させられるってこと…?」
「かもな」
「そっか…」
その冬の街に行ければもしかしたらスノウを進化させることが出来るかも…?
だとしたら次の目的地はその街かな。
ただ…どのエリアのことなのかがわからないのがなぁ。
「その冬の街の情報が得られる場所はないんですか?」
「…もしかしたら王都の図書館に行けば何かわかるかもな。」
《隠しエリア:王都が解放されました。
この場所には解放したプレイヤーとパーティを組んだプレイヤーもしくはフレンド登録しているプレイヤーのみが入ることが出来ます。
隠しエリア…?
FWOにはそんな場所まであるんだ…。
特定のイベントクリアしないと入れないっぽい…?
ってなると人もあんまりいないのかな?
「情報ありがとうございます。とりあえず向かってみることにします。」
「おう。気を付けてな」
「また会いましょう!ユズさん!」
「うん。またね。シェルナ。」
そう言って私はシェルナと再会の約束をして握手をすると工房を出た。
次の目的地は…王都の図書館だね。
そこで多分連続クエストの続きが発生するはず…。
「おっと…その前にモモのところに寄らないとね。」
卵の様子も気になるし…
ドラゴンさんから貰ったアイテムも試してないからね。
「じゃあスノウ。頼んだよ。」
「きゅう」
スノウに乗せてもらって私はモモのモンスターファームへと向かった。
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