第24話 第三層へ向けて
「さてと…第一エリアに戻ってきたわけだけど……」
第二回イベントを終えた私はれもんと別れて第一エリアに戻ってきていた。
その理由としては主に二つ。
一つはれもんにも言っていた通りに第三エリアに向かうための準備をすること。
まだ実装は告知されてないけど多分今までのペースからすると明日くらいには来そう。
その前に足りないものを買ったりして出来る限りの準備をしておこうってわけ。
そしてもう一つの理由はネットでみた噂を確かめるため。
「確か第一エリアにあるって書いてあったんだけど…」
私が見た噂…それはモンスターの進化に関するものだ。
情報を得るために色々と調べているときにベータテスト版ではモンスターの進化があったことが分かった。
正式版では残っているか分からないって話だったけど…。
つい先日モンスターの進化に関係するんじゃないかってクエストを見つけたプレイヤーがいるらしい。
あくまで『するのではないか』ってだけで確定ではないらしいんだけど。
クエストは発生すれば誰でも受けられることが出来るらしい。
しかし進める条件にはモンスターしか通れない場所にクリアアイテムがあったりそもそも対象のモンスターが見つからなかったりで
最初に見つけた人はほとんどクリア出来なかったらしい。
「えっと確か…ここら辺で…いた。多分あの子かな?」
買い物をさっと終わらせた後、情報で見た場所を探していると困っていそうな女の子がいた。
確かこの子に話しかければクエストが開始するはず。
「あの…なにか困ってる?」
「あなたは?」
「私はユズ。」
「私はシェルナです。」
「それで…シェルナはどうして困ってたの?」
「それが…実はとあるものを探してるんですけど見つからなくて…
ゴールドスコーピオンの甲羅って
ユズさん持ってませんか?」
《シェルナにゴールドスコーピオンの甲羅を渡しますか?》
最初は素材譲渡クエストかぁ…
ゴールドスコーピオンの素材ならあの時たくさんドロップして持ってるしあげても大丈夫かな。
私はYESの選択肢を押す。
「はい。これ。甲羅」
「ありがとうございます!」
甲羅を渡すとシェルナの上の0/4が1/4に変わる。
どうやらクエストが進んだということらしい。
「他に困ってることはある?」
「い、いや素材を譲ってもらったのにこれ以上は…」
「大丈夫大丈夫。持ってる素材他には何かあるの?」
「じ、実は他にもいる素材があって…マグマリザードの尻尾とワイバーンの羽なんですけど…」
また持ってる素材だから楽にクリアだね。
もしかしたら
《シェルナにマグマリザードの尻尾を渡しますか?》
《シェルナにワイバーンの羽を渡しますか?》
もちろん両方YESを押す。
「これも持ってたからどうぞ。」
「あ、ありがとうございます!これで完成します!」
「そう言えばなんでこの素材を探していたの?」
「実は私錬金術師なんです。それで実はとあるアイテムを作るのが師匠からの試験で…」
「とあるアイテムって?」
「アーティファクトです。古代に存在したっていうモンスターを進化させるための。」
「シェルナの師匠も難しそうなものを試練に選んだね。」
「はい。素材はどう手に入れてもいいといわれていたのでこれでクリアです!
あとは作るだけ…!
あ…でも師匠が言ってたアーティファクト専用の工房は冬の国にあるんだ…
どうしよう…あそこに行く途中にはマグマタートルの巣があるんだ…。
私一人じゃ…。」
「私も行っていい?護衛としてさ。」
「…いいんですか?危険ですよ?」
「冒険には危険がつきものでしょ?それに私もそのマグマタートルとやらに用があるんだよね。」
恐らくそのマグマタートルが第三エリアを解放するためのエリアボスだろう。
そいつを倒せば第三エリアも解放になってシェルナのクエストもクリアできるはず…。
といってもまだ第三エリアは解放されてないはずだけど…?
それにしてもなんでネットで見たクエストとエリア解放クエストが一緒になってるんだろう?
うーん…?偶然?バグ?
まぁとりあえず両方一気にクリアできるならいっか。
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