第21話 第二回イベント 連鎖クエスト
「随分と歩いたけど…木しかないね…」
「そうですね…。」
洞窟から森へと移動させられた私達は森の中をひたすらに真っすぐ歩いていた。
さっきみたいにスノウが何か見つけてくれたらよかったのだがまだ反応はないようだ。
とりあえずポイントはさっきドラゴンさんがくれた500ポイントがあるからいいんだけど…。
外に出られないはずのイベントで外に飛ばされたということはドラゴンさん関連のイベントの続きの可能性が高い。
あの試練をクリアすることでこっちのイベントが発生するようになっていたのかもしれない。
「うーん…。何か手がかりがあればいいんだけど…」
「スノウちゃんの反応はどうですか?」
「きゅ…」
スノウの方を確認してみるが静かに首を横に振っている。
「ダメみたい…そもそも反応自体が遮断されてるのかも」
「反応自体が?」
「そう。恐らく何かのスキルで自分自身を隠しているの。」
「じゃあそれを解除できれば…」
「ここの主…私達が探してる相手が見つかるかもしれない。」
とはいえどうやって解除するのかが問題だ。
何かいい方法があればいいんだけどね…。
「…見つからないならここら一帯に攻撃を仕掛けてみますか?
物騒な作戦ではありますが…」
「今はやれることは試すしかないね。行くよスノウ!スノーサイクロン!」
「パラライズレインアロー!」
『わー!たんまたんまー!』
攻撃を放とうとしたところで妖精の女の子がスキルを解除して現れた。
どうやらこの子がここの主のようだ。
「あなたがここの主さん?」
『そうよ!私はフェアリー族のアルテ。このエリアを守っているのよ!』
「じゃああなたを倒せばここでの試練はクリアですか?」
『わ、私に戦う力はないわ。私は召喚士…非力なのよ。
あなたたちと戦うのはこの子!おいでませ私の最高傑作!』
アルテが手を上に掲げると空から大きな巨人が降ってきた。
これがアルテの戦力…。
『この子を倒せたら試練はクリア。豪華報酬もあげるわ。じゃあスタート!』
「いきなり来る!?スノウ!れもん!気を付けて!」
私はスノウに乗せてもらって回避しつつ距離を取る。
体大きいのに意外と素早いから気を付けないと…
「あの巨体…麻痺効くんでしょうか…?」
「どうだろう…?見たところ体は草とかで出来てそうだけど…」
巨人の体は茨で覆われていて全身植物で出来ているように見える。
しかし顔なんかは明らかに石でできたゴーレムそのものだ。
『あなたたちにこの子がたおせるかしら~?』
アルテは余裕そうな顔をしてこちらを見ている。
そう言えばなんでアルテはあんな遠いところで…?
支持を出すならもっと近くの方がいいはずなのに…
アルテと巨人の関係性…召喚士って言ってたよね確か…
前に攻略法をウェブで見たときに載っていた召喚士の特徴…
確か召喚できる時間に有言があるのと…召喚士と召喚獣のリンク。
召喚獣が受けたダメージは召喚士も受ける…。
その逆もしかり。
それがNPCにも適応されるとしたら…?
このゲームのNPCは戦闘してるキャラ以外はダメージを受けても倒れない仕様になっている。
だから…
「れもん!アルテを狙って!」
「…!分かりました!」
『…へ?』
「パラライズショット!」
『な、なにこれ体が…痺れて…』
アルテが痺れたと同時に巨人の方も麻痺状態になって動かなくなる。
私の読みは当たったらしい。
「スノウ!アイススラッシュ!」
麻痺した巨人にアイススラッシュを叩きこむとその大きな体は崩れ落ちて消えていった…。
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