第20話 第二回イベント 試練達成

私達はドラゴンさんの試練を終わらせて報告に戻った。


「ドラゴンさん。もどりましたよ。」


私達が戻るとドラゴンさんは目を覚ましていてこちらを見下ろしてくる。


『こんなに早く戻るとはな…なかなかやるではないか。』


「もっとかかると思ってたんですか?」


『我がいるからここら辺のモンスターは中々巣から出てこんからな…


なんならクリアできないとすら思っていた。』


あの静けさはドラゴンさんのせいだったのか。


「結構苦労しましたよ。」


『その割には二人とも疲れてはいないようだな』


「ええ…まぁ。」


ゲームの中だからってこともあるけど、れもんはともかく私の方は戦ってたのは主にスノウたちだからね…


『まぁなんでもいいわ。お主たちが我の試練をクリアしたのは事実。


約束通りのものだ。』


ドラゴンさんがそう言うと私達のイベントポイントが一気に500まで上がる。


「こんなにポイントが…ありがとうございます。」


『こんなもんではないぞ。そっちの金色の髪をしたお主。』


「わ、私ですか?」


『そう。お主は弓使いだろう?これを役立ててくれ』


そう言ってドラゴンさんはれもんに白いウロコと羽を渡す。


「これって…ドラゴンさんの羽とウロコですか?すごい神々しいです…ありがとうございます。」


『そっちのオレンジの髪の獣使いのお主にはこれを渡そう。』


そう言ってドラゴンさんが私に渡してきたのは一枚の紙とれもんと同じ白いウロコだった。


紙にはモンスターチェンジと書かれている。


どうやらスキルを使える消費型アイテムのようだ。


『それは卵に近付けると卵の中身を一度だけ記されたモンスターに変更できるアイテムだ。


ちなみにその紙を使うと我と同じエンシェントドラゴンに変わるぞ』


「エンシェントドラゴン…」


ドラゴンさんと同じモンスターって超凄いかもしれない…。


「ありがとうございます。ありがたく使わせてもらいますね。」


『おっと…そろそろ時間のようだぞ?』


ドラゴンさんがそう言うと私達の足元に魔法陣のようなものが描かれ始める。


まだイベントの終了時刻ではないはずだけど…隠しイベントか何かかな?


『ここに入ってきた人間を一定の時間で外に出すようにあらかじめ我が仕掛けておいた。


どこに飛ばされるかは分からんが…まあ何とかなる。』


そう言ってケラケラと笑うとすぐにこちらに向きなおした。


『お主らのことは忘れんぞ。またどこかでな。』


ドラゴンさんのその言葉と共に私達の視界は一瞬にして切り替わった


「ここは…森…かな?」


「そうみたいですね…。」


私達が飛ばされたのは洞窟とはまるっきり変わって森の中だった。


「とりあえず進んでみようか」


「はい。」


「スノウ。お願いね」


「きゅ~」


私達は再びスノウに探知を任せながら森の中を進むのだった。




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