第18話 第二回イベント 開始

第二回イベント当日になった。


第一回イベントとは違い広場に集まるわけじゃなくて開始時間になるとその場からパーティごとにランダムなイベントフィールドに転送されるらしい。


「そろそろかな…」


「ドキドキします…私、これがイベント初参加なんです。第一回イベントの時は参加できなかったので…


ユズさんみたいな心強いパートナーと一緒で嬉しいです!」


れもんはそう言ってにっこりと笑う。


なんか浄化されそうな笑顔だ…。


守りたいこの笑顔。


「とりあえずイベントの概要見直しておこうか」


「そうですね。」


私達は開始前に第二回イベントのお知らせページを開く。


第二回イベントはタッグ戦。


二人一組のパーティで挑むイベントだ。


フィールド内に現れるモンスターをを倒してポイントを稼いでいって二人の合計ポイントが高かったパーティの優勝って感じらしい。


基本的に飛ばされるフィールドはランダムで飛ばされたフィールドの外には出られない。


洞窟に飛ばされたらその中でポイントを稼ぐことになる。


逆に草原に飛ばされたら洞窟には入れない。


他のパーティと遭遇したらすぐ戦うもよし終わりまで協力するもよしって感じみたい。


ちなみに他のパーティを倒しても前回とは違ってポイントは入らない。


だから協力の方がよさそうな感じはする。


「むむむ…トッププレイヤーの方たちと一緒になったりしたら協力してくれるんでしょうか…?」


「分かんないけど戦闘になったら間違いなく負けるだろうね。」


トップの人たちはレベル80超えてる人もいるって聞くし…。


戦闘になれば間違いなく負けるだろう。


「でもいざとなったらスノウに凍らせてもらうし私も戦うから安心して。」


「頼もしいです!私も頑張ります!」


「そう言ってもらえてうれしい限りだよ。一緒に一位目指そうね!」


「はい!」


そう言うとちょうど時間になったようで私達はフィールドへと転送された。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここが私達の戦うフィールド…広めの洞窟って感じだけど…」


「ここにはモンスターはいないみたいですね…。」


「スノウ、モンスターの気配を察知できる?」


「きゅ!」


スノウは辺りをきょろきょろすると穴の一つの方に向かって走り出した。


どうやらあっちの方に何かいるみたい。


「れもん、スノウを追いかけよう!」


「はい!」


私達は反応の方向へ進むスノウの後ろを付いていく。


そうしてたどり着いたのは白いドラゴンの前だった。


もしかして泉の精さんの時みたいに隠しイベントなのかな…?


「も、もしかして私達今からこのドラゴンと戦うんですか…?」


「いや…そんなことはないはず…」


『我に何か用か?脆弱なるものどもよ』


私達がこそこそと話していると目を覚ましたドラゴン…さんが脳に直接語り掛けるように話しかけてきた。


やはりこのドラゴンさんとの邂逅は特別なイベントのようだ。


「私達はあなたの気配を感じたうちの子に導かれてここに来たんです。」


『我の気配を…?相当優秀なのだな。その従魔は。』


「きゅ♪」


ドラゴンさんに褒められてスノウもうれしそうだ。


『話を戻そう。そなたらは我に何を望む?力か?金か?それとも…試練か?』


ドラゴンさんがそう言うと私達の前に選択肢が表示されたウインドウが現れた。


どうやらこの三つから選んで結果が分岐するらしい。


しかし私達が選ぶのは一つ。


「準備はいい?れもん。」


「はい。」


私は試練の選択肢を選んで決定を押した。


『ほう…?そなたらは試練を選ぶか。脆弱だと思っていたがどうやら違うようだな。


ならば試練を与えよう。この洞窟にいるモンスターを50匹狩ってくるのだ。


そうすればそなたらに必要なものを与えよう。我は寝る。』


そう言ってドラゴンさんは再び眠ってしまった。


「…これ試練って言うより雑用だよね。」


「それは言わない方向で行きましょう。」


そんなことを私達は試練をこなすためにモンスターがいる場所へと移動するのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る