第15話クエスト戦 ゴールドスコーピオン

「金のサソリ…固そうだね…」


私はそんなことを呟きながら目の前に現れたサソリを見る。


あの金で出来た固そうな殻…容易には突破できそうにはないかな…。


「とりあえずスノウ!凍らせちゃって!」


「きゅ!」


「SYAAAAAAAAAAA」


スノウに部屋の床を凍らせてもらってサソリの動きを鈍くする。


ホワイトグリズリーの時みたいに足を凍らせても良かったけどあの長い毒針の付いた尻尾で多分すぐ突破されちゃうからね。


こっちの方法だと私も滑りそうで怖いけど…


まぁあんまり動かないからいいかな。


「スノウ!連続でアイスホーン!」


「きゅ!!」


私は動きが鈍くなったサソリに連続で攻撃を叩きこむ。


普通に攻撃してたら多分固くて突破できないけど…


多分こういう感じのモンスターなら攻撃時に殻が体から離れるタイミングがあるはず。


そのタイミングを狙って一撃を叩きこめは勝てるはずだ。


「SYAAAAAAAAAAA…」


サソリはスノウの攻撃をじっと立ち止まって耐えている。


動く様子はない。


どうやら何かをためているようだけど…。


大型の攻撃が来る予感がする…。


「SYAAAAAAAAAAA‼‼」


サソリは尻尾の先に巨大な毒液を貯める。


その瞬間サソリの全身の金の装甲が一瞬浮き上がった。


どうやら毒を尻尾の先に集中させるために必要な動作らしい。


これははこっちにとってもラッキーな瞬間だ


私はこの瞬間を待っていたんだから。


「いまだよスノウ!空いた隙間に氷魔魔法をぶち込んで!」


「きゅ!!!!!!!!」


サソリの装甲が一瞬離れたところにスノウの氷魔法をぶち込む。


これで毒を溜める攻撃は氷が解けるまで出来ないはず。


「そうだ。モノのレベル上げも出来そうかな?おいで!モノ!」


「クウ」


「モノ!アクアスラッシュ!」


「クウウ~」


モノは大きな水の刃を作り出してそれをサソリへぶつける。


「SYAAAAAAAAA…」


サソリは攻撃が封じられ何もできないのか攻撃はしてこずにじっと耐えている。


うーん。それにしても何もしてこないのはどうしてなのかな?


尻尾は凍ってないわけだからそれで氷を砕けば済む話なのに…。


何かを溜めてる…?


もしかしてとんでもなく強い攻撃が来るんじゃ…?


「スノウ。警戒して!なにか大きな攻撃が来るかも!」


「きゅ!」


「SYAAAAAAAAAAA‼‼‼‼‼‼‼」


サソリは体の全身を炎で包み込んで氷を溶かした。


なるほど…動かなかったのは体の中で熱を発生させてたからみたい…。


「SYAAAAAAAAAAA‼‼」


第二形態になったサソリはそのまま毒と炎を混ぜた巨大な火球を飛ばしてきた。


この状態だと攻撃のパターンも変わるみたい。


「スノウ!避けて!モノ!水魔法でサソリの炎を消して!」


「クウウウ~」


モノの水魔法でサソリが纏っている炎を鎮火する。


「また炎を出される前に決めるよ!スノウ!サークルブリザード!


モノ!アクアスラッシュ!


そして…ラッキーストライク!」


集中砲火を受けたサソリは粒子となって消えていった。


《虚に潜む金色のサソリをクリアしました。》


どうやらこれで虚の洞窟のクエストはクリアらしい。


《プレイヤーユズのレベルが上がりました。


スキルポイントの振り分けが出来ます。》


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


ユズ


テイマー


レベル19 残り振り分け0


(LUKに自動振り分け)


ATK0


MAG0


DEF0


SPD0


LUK350(+250)


使役モンスター


スノーユニコーン


モノクロームグリズリー


スキル


モンスターテイム


指揮上手(自動発動)


経験値上昇(自動発動)


ラッキーガール(自動発動)


装備


四葉の指輪


妖精のドレス


ーーーーーーーーーーーーーー


「経験値上昇のスキルが増えてる…」


何の条件で取れたのかは分かんないけどこれは嬉しい誤算だ。


それに振り分けられるステータスも増えてる気がする。


まぁ全部LUKに振るんだけど。


ちなみにだけどスノウとモノのステータスも確認したがステータスが上がっている以外は特に変わりはなかった。


新しいスキルとか覚えると思ったんだけど…。


まぁのんびりやればいいかな。


「さて…と次はどこに…ん?お知らせ?第二回イベントかぁ」


お知らせメールには『第二回イベントのおしらせ』とあった。


「今回も楽しめるといいなぁ」


私は次のイベントに心を躍らせながら街へと戻った。

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