第8話第一回イベント 決着

「次なるターゲットを求めて洞窟から移動してきたわけだけど…」


次のポイントが集まりそうな場所を求めて移動してきた私は海へと移動していた。


といっても目的を持って海に来たわけじゃなくて気づいたら海だったんだけど。


「さてと…イベントも終わりに近いわけだけど…どうしようかな…?」


まだ100ポイント集まってないから急いで集めないといけないんだけど…


この海でもイベントが起きたりしないかな…?


それとも大量にポイント持った人とか現れたりしないかな…


さっきはスノウが走り出した後を追って泉を見つけたわけなんだけど…。


「スノウ、この海からは何か感じる?」


「きゅ…」


スノウは申し訳なさそうに頭を振る。


「大丈夫大丈夫。こっから一気にポイントが集まりそうな場所探そう」


「きゅ!」


とはいってもなんの当てもなしに探しててもイベント終わっちゃいそうだなぁ…。


なにかヒントがあればいいけど…。


「お、あんたは広場で会った嬢ちゃんじゃないか」


「あ、広場のお兄さん」


どうしようか迷っている私に声を掛けてきたのは広場でイベントのことを教えてくれたお兄さんだった。


「どうだ?ポイント集めは?」


「目標まであと少しなんですけど…その少しが集まらなくて…そちらはどうですか?」


「俺は自分の目標にしてたポイントには到達したぞ。何か知らんがプレイヤーがたくさん戦いを挑みに来てくれたからな。


優勝有力候補の俺を先に潰したいんだとか何とか。


それでなんか100人くらい倒したらボーナスでポイント貰ったんだよ。」


「お兄さんそんなに強いんですね…。」


大量にポイント持った人と会いたいって言ったけど…


私の実力じゃ到底かないそうにないなぁ…。


「そう言えば…広場でした約束…覚えてるよな?」


「…はい。」


フィールドで再会したときは全力で戦うって約束しちゃったからなぁ…。


まぁやるしかないよね。言っちゃったものは取り消せないし。


「勝った方がポイント総取りってわけですね!」


「そういうことだ!」


「お兄さんがどれだけ強くても…負けませんよ!スノウ!」


「テイムモンスター…!しかもスノーユニコーン…!面白い!


これを喰らってみろ!」


お兄さんは剣を取り出して斬撃を飛ばしてきた。


速い…!


「スノウ!斬撃を凍らせて!」


「きゅ!」


「そんなことが出来るのか…!ならこれはどうだ!」


「次は弓に…!?それどうなってるんですか…!?」


「仕様は明かせないな…それより驚いてる暇はないぞ?」


「スノウ!大きく距離を取って!」


「おいおい…テイマ―が一人になっていいのか?攻撃を当ててくださいって言ってるようなものだぞ?


変形:大盾!これであんたのテイムモンスターの攻撃は防げるぞ。


さらに分裂だ!変形:大剣!」


「それはどうですかね?スノウ!」


確かに私一人だと攻撃も出来ないしお兄さんには勝てない…。


けど私にはスノウがいる。


「…まさか!」


「スノウ!アイスホーン!」


「きゅううう!!!!!」


スノウはお兄さんの裏に回り込んでアイスホーンの一撃を叩きこんだ。


クリティカルが入ってお兄さんに大ダメージが入った。


「やられたぜ…あっぱれだ…」


そう言ってお兄さんはリタイアして消滅する。


そして私のポイントが200まで増えた。


『イベント終了です。10秒後に広場に戻ります。』


それと同時に終了の合図が鳴り響いた。


直後に広場へと戻される。


『参加者のみなさんイベントお疲れさまでした。


イベント優勝者は…200ポイント獲得のユズさんです。


おめでとうございます。


トロフィーと宝箱をどうぞ。』


「ありがとうございます。」


会場のあちこちから「すげぇ」とか「何もんだよ」とか


「番狂わせだったな」


とか聞こえてくる。


どうやらみんなお兄さんがぶっちぎりで優勝すると思っていたらしい。


『これにて第一回イベントは終了となります。お疲れさまでした』


「おめでとさん。」


トロフィーを受け取った後お兄さんが声を掛けてきた


「あ、お兄さん。ありがとうございます。」


「クレムでいい。こっちもユズって呼ぶから」


「はい。クレムさん。」


「それにしてもあんな作戦でやられるとは思わなかった。あっぱれだよ。」


「一か八かでしたけどね。上手くいって良かったです。


あれが失敗してたら負けてましたし。」


「それで…ユズはなにと交換するつもりなんだ?」


「私は…これですね。」


私は最初から交換するつもりだった???の卵を選択する。


「これが…テイムモンスターの卵…」


「なにが産まれるかわかんないんだっけか。」


「はい。何が産まれるか楽しみです。」


後は残り100ポイントだけど…


もう一つ卵は交換できないし…ん?


「これは…スキルの巻物…どれもMAGやATKが条件のものばかりだから私には…


これは…LUKをダメージに変換する攻撃スキル…ラッキーストライク…


これも交換しようかな。ちょうど100ポイントだし。」


「いいものが交換できたみたいだな。俺も最後の二人まで残った特別賞で貰ったポイントで欲しいものは交換できた。


じゃ。ちょっと忙しいから行くわ。


またどっかで会えたら次はフレンド登録しようぜ」


「はい。また。」


クレムさんと握手をして別れて私の第一回イベントは終了となった。


ちなみにトロフィーと一緒に貰った宝箱の中には10000Gが入ってた。


金欠だったし助かったね。



















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