第23話 モンスター捕縛しまくり

「そっちいったぞーデバフ魔法発動してスキル盗むから、よし手加減パンチで」


「リークさんーそっちにリーフトレント逃げましたー、捕まえてええええ」


「ふふ、シルフウィザードがそっちに逃げたな」


 リーク、カエデ、カナシーはれっきとしてほぼ密猟者化していた。

 モンスターを次から次へとぶっ飛ばし、デバフ魔法でスキルを盗み、しまいには捕縛の腕輪でモンスター牧場送り。


 ダイヤリザードマンの1件から3日程が経過した。

 捕まえたモンスターは捕縛の腕輪を通して頭にデータとして送られてくる。

 1体1体の状態が頭に映し出されるので、とても分かりやすかった。


 その数は500体だった。


「ふぅ、これだけ捕まえれば、素材には困らないぞ」


「ですね、一度モンスター牧場を見て、モンスター達の生活を見て見たいです」


「ぐへへ、モンスターに追いかけられたいのだ」


 3者3用の目的の為、ひたすらかけ走るのであった。

 異変はやはり唐突に起きるものだ。

 ダイヤリザードマンが現れたように、次なるものが現れても可笑しくなかった。

 それは突如としてやってきた。


「おいおい、おめーらさんよモンスター狩りすぎでしょ、異空間にモンスター飛ばしてるみたいだけどさ、素材とか分けてくんねー」


 残念ながらごろつきでした。


「あのーそれはできません」


 リークがそう言うと。


「へぇ、俺達はS級ランクだぜ。こっちは5人、そっちは2人、どうする? どうせC級だろ?」


「いえ、S級とA級です」


「へぇ、意外だな」


 頭がとんがっていたリーダ格の男が腰に手をあてながら左手で剣をいじっている。


「いいのかい、ワールドダンジョンでは殺し合いは了解とれてるんだぜ」


「はい、もちろんです」


「へぇ、そんな自信家なんだな」


 ちなみに国王から言わせたらリークはSSS級ランクらしい。


「カエデちゃんは後ろに下がっててください」


「はいです」


「へえ、女性を守るんだ」


 とんがりリーダーが頷き、現在リークの脳内ではじゅるりと涎が垂れております。

 鑑定スキルを発動し、ここにいる5名のスキルがレアばかりで、現在リークの脳内は涎で充満しております。


「ぐへへ、間違った、相手しましょう」


「なんだ。その気色悪い笑い方、ふ、かかってきなよ」


「いいんですか、お言葉に甘えてー」


 次の瞬間、リークは5人の懐に瞬間移動ではなく超人スキルを使用して超スピードで移動した。


「はへ?」

「すお」

「うそだろ」


「デバーフ」


 リークは現在ノリノリだった。


 レア級のスキルを10個確保。


「ふ、俺の賢者の魔法でって魔法でねーし」


「ふざけんなよ、体おもてーし」


「お、俺、ハンマーもてねー」


「うそ、杖が杖が暴走するわ」


「制御がきかんぞ、ゴーレムがきかんぞおお」


 リークは腰にて当てて、ふんふんと頷き。


「じゃあ、みんな死んでみようか」


「はへ」


「ぎゃあああああ」


 次の瞬間、冒険者S級5名即死したのであった。

 全員の体を悲しくリークは見守り。


「あなた達のスキルは大事に大事に使用させてもらいます。ありがとう!」


 リークは大粒の涙を流し、右手で拭ったのであった。


「あのう、カナシーさんリークさんがたまに狂った少年に見えるんですが気のせいですか」


「あやつはスキルジャンキーだからな、仕方ないさ、製作ジャンキーでもあるからな、中毒症状を起こす前にスキルを大量に盗めてよかったよ」


「なんだか、カナシーさんのその認識、当たっていると思います」


====習得スキル====

【賢者魔法】×1 ★賢者が使う超上位魔法。

【魔力コア】×1 ★体内に魔力コアを造り、魔力を補充。

【スプラッシュ】×1 ★ハンマー級の衝撃を地面に与える。

【ボンバー】×1 ★周囲を爆発させる。

【動け武器よ】×1 ★武器が自動で動く。

【飛べ武器よ】×1 ★武器が飛翔する。

【カルカルカル】×1 ★体が小石1つ程の軽さになる。

【トンテンカン】×1 ★角を曲がるスピードが跳ね上がる。

【ゴーレム製作】×1 ★ゴーレムを造る事が出来る。

【ゴーレム魂】×1 ★ゴーレムに魂を与える事が出来る。

=============


「カエデちゃん、今日はいい天気だね」


「曇りですよリークさん」


「何を言うか、曇り色の空一色。なんと素晴らしい事か、なんとスキルが素晴らし事か、どんな使い方してやろういかなーわくわくするなー」


「カナシーさん末期症状かもしれません」


「かもしれんな」


「いや早く強いの出てきませんかなー、こういうのはぱあっとレベル2000とか、お、そこにモンスターがいるじゃないですか」


「リークさん舐めないでくださいよ」


「どこからどう見ても、黒い精霊みたいなちっこいやつじゃないですかー今捕まえますよー」


 だが、そいつはこちらを見て、威嚇の声を発する。

 次の瞬間、その大きさは遥かな山をもしのぐ、巨体になった。


「うそおおおおおおおおおおおおおおお」


 リーク唖然。


「きゃああああああああ」


 カエデちゃん悲鳴をあげる。


「たんまげたああああああ」


 カナシーびっくり。

 

 そのモンスターは【スプリガン:レベル3000】でありました。

 リークは望み通りとんでもないモンスターを引いてしまった。


「よ、よし、カエデちゃん、やりますか」


「は、はい、どうやってやるんですか」


「よし、あれを捕まえろ、リーク達」


「だから無理だってええええ」


 リークは思わず突っ込み。


「いやーカナシーさん無理でしょーせめて倒しましょうよ」


「何を言うかカエデよ倒してはダメだちゃんと捕縛するのじゃ」


「ここに鬼がいます」


 リークが思わず叫び。


 鑑定した結果。

 スプリガンというモンスターは精霊の一種で、巨大化したり小さくなったりして人々を驚かせるそうだ。闇魔法を得意としており、その魔法は特殊すぎるそうで。


「これ倒せんのか」


「きゅいきゅきぃいいいいいい」


 スプリガンは拳を地面に叩きつけた。

 しかも連打でだ。

 リークとカエデちゃんは必至で避け続ける。


「無理でしょおおおお」


「とりあえず避け続けろ、何か観察するしかない」


 スプリガンの背中の翼が闇色に光始める。

 少しずつ闇が広がり、それが集合していくと。


 スプリガンの口から黒い塊が吐き出され、高速で地面を抉る。


「バケモンかよおおおお」


 リークとカエデちゃんは必至で逃げる。


「はっははは、面白すぎるぞリーク」


 カナシーは相変わらず空で浮遊していた。

 辺りは精霊に相応しく草花が茂っていたのだが、今の闇ビームで黒い焼野原になっていた。

 

 そこには闇色地獄が広がっていたのだ。







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