第7話 スキル付与で転売開始
リークはスキル付与のスキルのイメージを強くしていた。
テーブルに並べられた【輝きのブローチ×100】と【輝きの腕輪×100】と【輝きのサドンブレスレット×100】に付与していく。
頭の中で何かがかちりとはまる音が聞こえる。
先程モンスターから盗んだスキルを付与していく。
まずは【粘液】というスキルを輝きのブローチに20個付与する。
まるでパズルゲームのように頭の中でかちりかちりとはまっていく。
粘液のスキルは体から粘液を出す。ある種のプレイに使われるらしいが、リークには縁のない話であった。
次は【浄化】というスキルを輝きのブローチに20個付与する。
浄化というスキルは汚れた物や毒におかされている人を治してあげる事が出来る。
次は【敏捷】というスキルを輝きのブローチに20個付与する。
敏捷というスキルは素早く動いたり走ったりする事が出来る。
次は【跳躍】というスキルを輝きのブローチに20個付与する。
跳躍とは高くジャンプする事が出来る。ただそれだけだ。
次は【鬼化】というスキルを輝きのブローチに20個付与する。
これは全身を鬼のように強化する事が出来る。自身バフ系のスキルだ。
この時点で輝きのブローチが100個尽きた。
次に輝きの腕輪に移行する。
次は【回復】というスキルを輝きの腕輪に40個付与する。なぜこれは20個多めにしたかと言うと、とてつもなく貴重なスキルだからだ。回復というスキルは常時体を回復させてくれる。少しの怪我では死なないという事だ。
次は【吸収】というスキルを輝きの腕輪に40個付与する。これも貴重で、弱り果ててしまった体の状態であらゆる生き物から生命力を吸収する事が出来る。
つまり植物からも吸収する事が出来る為、ある意味最強のスキルだ。
次は【斧術】というスキルを輝きの腕輪に20個付与する。
斧術というスキルは斧に対して専門的に扱えるものだ。
この時点で輝きの腕輪が100個尽きた。
次に輝きのサドンブレスレットに移行する。
次は【潜水】というスキルを輝きのサドンブレスレットに20個付与する。
潜水というスキルはより長く水の中に潜っていられるスキルだ。
水の中でモンスターを討伐する人には必須のスキルだ。
次は【槍術】というスキルを輝きのサドンブレスレットに20個付与する。
槍術というスキルは槍を扱うスキルに秀でるという事、斧術スキルと同じだ。
次は【豪気】というスキルを輝きのサドンブレスレットに20個付与する。
豪気と言うスキルは発動すると体が熱くなって気合が入る。
最後は【破壊】というスキルを輝きのサドンブレスレットに40個付与する。これも大切なスキルで、破壊というのは物を破壊したりする事が得意になる。
非常に危険なスキルでもある。
リークは全てのアクセサリーにスキルを付与した。
まだまだ残っているスキルはあるが、全身から脱力して、椅子にもたれて気絶しそうになった。
けど、心がとてつもなくワクワクして、新しい事にチャレンジする事がこれだけ楽しいものだと改めて痛感した。
「やったよカナシー、僕はスキルを、スキルをアクセサリーに付与させる事が出来たんだ!」
「素晴らしい、人生でこんな奇跡は初めて見た。ちゃんとアクセサリーにはスキルの名前が表記されている。何か1つ使ってみたらどうだ」
「そうだね、じゃあこれを」
リークが手に取ったのは回復と言うスキルの入ったアクセサリーだ。
手に持っただけで体の疲労がなくなっていく。
ふぅと一息つくと。
「僕の為のアクセサリーをいくつか作ってみたんだ」
実は内緒でいくつか製作していた。
「ほう、どのようなものだ」
「これさ、指輪だよ、10個あるから、10個にスキルを付与できるんだよ」
「それは凄い発想じゃね、うん、いいね、それは」
「実は試してみたいことがあったんだ。スキルの同じ数が多い程強くなるみたい、たぶん僕くらいしか分かってないし、数を重複するほどスキルを習得している人はいないと思う。僕自身だといつでもスキルを習得してるから常時発動出来る。だけど異世界製作所の力を使った製作と僕のスキルを合わせるとどうなるか、とてつもなく興味があるんだ。だから、付与していくよ」
リークは10個の指輪に付与したもの。
1の指輪=浄化×100
2の指輪=敏捷×100
3の指輪=跳躍×100
4の指輪=回復×100
5の指輪=吸収×100
6の指輪=鬼化×100
7の指輪=斧術×100
8の指輪=槍術×100
9の指輪=豪気×100
10の指輪=破壊×100
となっている。
「凄いや、凄い力を感じる。予備の指輪も作った事だし」
「それを秘密でやるとはさすがだな」
「それは褒められても嬉しくないよカナシー、まずは実験と」
リークは思いっきりジャンプした、天井まで頭をぶつけて、落下してきて。
「す、すごいジャンプ力だ。屋根を超えられるぞ」
「そこで屋根を突き破ったら、私がお前の頭を叩き潰すぞ」
「ひええええ」
リークは拳を握りしめて、地面を叩いてみた。
ドカァアアアンというとんでもない音が炸裂した。
だが異世界製作所は揺れるだけで壊れなかった。
「す、すごすぎる」
リークはあまりにも凄すぎて笑っていた。
「他のスキルもやばい事になってそう、そうだ、斧と槍を造らなきゃ、カナシー教えてくれ」
「武器の作り方なら分かっているだろう」
「でも鉄とか鋼鉄とかが、それらはモンスターからは取れないだろう」
「基本は鍛冶屋でインゴットを買うのをお勧めするが、お前はそんな当たり前な商売は好きじゃないだろうが、うむ、最初はいいじゃろう、リークの事だから、凄い良い物を造りたいんだろう?」
「はい!」
「それなら500金貨は必用じゃ」
「なんだってええええ」
「商売を始めんか、何のためにアクセサリーを大量に作ったんじゃ」
「そうだったー」
リークは頷き、慌てて異世界製作所から出た。店の店舗に行くと、そこには信じられない光景が広がっていた。
先程まで異世界製作所にあったアクセサリー達がきらびやかに飾られている、値札には値段はついていないが、一体どういう事なのか、棚まで新調され、新しくなっている。
ここは本当に幻想ショップだ。
「私からのプレゼントじゃ、お前に憑依した事で、お前の生命力を使えば色々と出来るようじゃ」
「勝手に、人の生命力を使わないでえええええ」
リークの悲鳴が轟いたが、カナシーはひょうひょうとしながら笑っていた。
「値段をつけろ、一般的にスキル効果のあるアクセサリーは100金貨以上の価値があると思え」
「はい、カナシー」
リークはすらすらと値段を書いていく。
それもすべて均一の80金貨で300個売れれば2400金貨というありえない額になる。
「お前はバカなのか優しいのか、普通は90金貨だろうが」
カナシーの忠告など無視して。
「でもこれなら金持ちでも買えるでしょ」
「どんな発想だ、金持ちじゃなくぎり貧乏冒険者が必死で貯めて買えるレベルに到達したくらいじゃ」
「はは、これで、俺達の転売商売が始まったね」
「まぁ、素材集めて作って付与して売るだからな」
「さて、開店するとしますか」
「ああ、今の時間帯なら大勢の人がこの商店街にいるだろう、あと看板は幻想ショップに作り替えておいた、ありがたく思うように」
「ありがたやー」
かくして、幻想ショップが開店する事となった。
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