第52話 新しい技

朝起きて、しっぽのブラッシングをしてからリビングに降りた。


《おはようございます。》


「おはようございます。」


《ご主人、今日はしっぽのブラッシングをしてください。》


「いいよ〜。はい、ここ座って。」


僕はコミチのしっぽを30分間、丁寧にブラッシングしてあげた。


《ご主人、ありがとうございました。》

《かわりにしっぽをモフっていいですよ。》


「えっ!ほんと!やったぁ〜。」


僕はコミチのしっぽを1時間ぐらいモフっていた。


《ご主人、そろそろ家事に戻りたいのですが。》


「あと、5分。」


《わかりました。あと5分だけですからね。》


「ありがとう!」


………5分後………


《ご主人、5分経ちましたよ。》


「うぅ〜。もっと、モフりたい。」


《これ以上は時間がないですよ!》


「そうですね。渋々、朝ごはんを食べますね。」


僕は、朝ごはんを食べてから外に行った。外には、ユウキくん、シゼルさん、リョウナくん、ヒスカさん、スーユさんが居た。


【うぅ~ん。羨ましいぐらいにきれいな黒色ですね。】


『いやいや、そっちもきれいな白色じゃないですか。』


〘俺の翼は?〙


『デコレーションしてある翼。』


【カラフルな翼。】


〘感想ショッボ。〙


{私の翼はどうですか。}


【プニプニしていて、柔らかくて、触り心地がいい!】


『きれいな赤色の翼!』


〘the ドラゴン。って、いう翼。〙


{嬉しいです!}


翼から落ちた羽はスーユさんが回収していた。


〔ウヒヒ、これで小遣いになるで〜。〕


聞かなかったことにしておこう。家の中に入ると、コチカとコライが来て、


❨主、コミチだけしっぽのブラッシングしているなんてずるいのだ!私も、しっぽのブラッシングしてほしいのだ!❩


(そうですよ!私も、しっぽのブラッシングしてほしいです!)


「わかったよ。ブラッシングしてあげるからどっちか待っていて。」


(❨せーのっ、最初はグ〜、ジャンケン、ポン!❩)


(やったぁ〜。ご主人、しっぽのブラッシングをしてください!)


「は〜い。じゃあ、そこに座って。」


(はい!)


僕は、丁寧にコライのしっぽをブラッシングした。

次に、コチカのしっぽのブラッシングをした。


「うぅ〜。流石に手が痛い。」


❨主、大丈夫なのだ?❩


(ご主人、大丈夫ですか?)


「妖術・Dr.ブライト。」


(❨??❩)


「どうしたの?」


(ご主人、回復技も使えるの?)


「使えるよ、それぐらい。」


❨私は一応回復技使えるのだ!❩


(えぇ〜、初耳なんですけど。)


「えっ、そうなの?」


❨じゃあ、使うのだ!❩

❨不死鳥の癒やし火。❩


コチカがそう言うと、僕とコライの体が火に包まれた。


(キャァァ!火、怖い!)


「落ち着いて、なんか熱いというよりは、温かいような火だから。」


(あっ!本当だ。なんか、温泉に入っているような暖かさです。)


❨フフッ、これが私が考えた回復技なのだ。❩


《どうかしましたか?叫び声が聞こえた気がするんですけど。》

《!!》

《コライ、ご主人、大丈夫ですか!?》


「大丈夫ですよ。」


(大丈夫です。これ、コチカちゃんの回復技です。私がびっくりして叫んだ理由はこれです。)


❨ふぅ。これしたあとは、すごい疲れるのだ。❩


《大丈夫ですか?》

《水の癒やし。》


❨コミチも回復技使えたのだ?❩


《簡単なことですよ。》


(私、できない。どうしよう、ご主人。)


「う〜〜ん。雷や電気で回復する感じをイメージしてみたら?」


(えぇ~と?回復→溜める?→チャージ?)

(雷チャージ?)


コライがそう言うと、雷が降ってきてコライに当たった。


(わぁ!すご~い。)


「大丈夫!?」


(平気、しかも、すごい力が湧いてくる。)


「バフ技ができた?」

「ちょっと、雷産狐神・絶を撃ってみて。」


(はい!)

(雷産狐神・絶!)


雷産狐神・絶がいつもとは違う紫色の電気を帯びて放たれて、300m先で大爆発を起こした。


(すご~い。花火みたい。)


「すごっ!」


❨コライちゃん、今の何?❩


(ただの、雷産狐神・絶だけど。)


❨そうなのだ?❩


(いや、雷チャージって技使ってから撃ったらこうなった。)


❨私もやりたい!❩

❨雷チャージ!❩

❨………。何も起きないのだ。❩


「コチカは、火に関する技をイメージしてみて。」


❨火→熱い→温まる→ヒートアップ?❩

❨ヒートアップ!❩


コチカが、そう言うとコチカの髪としっぽの色が赤色になった。


❨おぉー!すごい!力が湧いてくるのだ!❩

❨火産狐神!❩


火産狐神は空に飛んでいき、空中で大爆発を起こして、飛火がものすごい速度で落ちてきた。


❨すごいのだ!きれいなのだ!花火なのだ!❩


(すごいね、コチカちゃん。私の回復技を考えるのちょっと手伝ってよ。お願い。)


❨いいのだ!❩


(❨う〜〜ん。❩)


❨HPチャージは?❩


(あっ!確かにいいかも。)

(HPチャージ!)

(………。なにも、起きないですね。)


「ちょっと、試してみたいことがあるけどいい?」


(いいですよ。)


「妖術・狐旋丸。」


(あわわっ!何するんですか、ご主人。)


「やっぱりコライ、HP減った?」


(あれ?減ってませんよ?)


「やっぱり、HPチャージは一回だけでHPが減るときに、逆に回復する技だと思うよ。」


(なるほど~。でも、いきなり攻撃なんて危険ですよ。)


「聞いたでしょ?試したいことがあるって。」


(えぇ〜。)


こうして、コライとコチカは新しい技ができた。

そろそろ、お腹がすいてきたので、お昼ご飯を食べてから、冒険者ギルドに向かうのだった。

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