第49話 お泊り会
寝室に行くと、布団が11枚敷いてあった。
この世界に来てから初めて布団を見た。
〈今日は、この布団で寝ますよ。〉
「久しぶりの布団だ〜。」
〈アレっ、布団を知っていたんですか?布団は魔族独特の文化だと思っていたんですけど。〉
「いやぁ〜、この世界に来てからは初めて見ました。」
〈??まるで、この世界に元々いなかったみたいな言い方ですね。〉
「あったり〜ん。僕と、ユウキくんと、リョウナくんはこの世界とは別の世界から来たんですよ。」
〈えぇ!ヨウカさん達のパーティは一般人はいないですか?〉
〔幽霊やけど、うちが唯一の一般人やで。〕
〈もうそれ、一般人じゃないですね。〉
〔いや、このペンダントのスイッチを入れると、
うちは生き返れるから、一般人や。〕
〈そうなんでしょうか?〉
〔そうや、生き返ったときは一般人、幽霊のときはNO一般人や〜。〕
〈う〜ん?コチカちゃんは、なんの種族なんですか?〉
❨私は、小太刀なのだ。❩
〈??〉
❨お〜い。❩
〈えっとぉ、もう生き物じゃないですね。〉
《私は、刀。》
(私は、大太刀。)
〈こんなにモフモフしていて、可愛いのにヨウカさん以外の狐族の人達は、生き物じゃないんですね。〉
《褒めてもなんにも出ませんよ。》
❨そうなのだ。❩
(そうだよ。)
〈えぇ〜、しっぽモフらしてくださいよ〜。〉
❨嫌なのだ。❩
《30分だけならモフっていいですよ。》
(嫌だな〜。)
〈私に優しいのは、コミチさんだけです。〉
「ハハッ、僕のしっぽもモフっていいですよ。」
〈ありがとうございます!〉
マクヤさんは結局、僕達のしっぽを枕にすぐに眠ってしまった。タテナさんが、
[私以外に心を許したのは4年ぶりでしょうか。]
「??]
[マクヤさんはあんまり人が好きじゃないんですか?」
[いいや、社交性があり、人付き合いがよく、優しいけど、魔王という立場上どうしても人が信用できないからね。]
「へぇ〜、そういうことは、サンラさんに聞いてみたらいいかと思いますよ。」
[そのサンラさんという人に聞けばいいんですね?]
「はい!そうです。歳も近いので絶対に参考になりますよ。」
[サンラさんは、どんな人ですか?]
「簡単に言うと、マクヤさんと全く一緒。違うところは、背の高さだけ。」
[背の高さだけしか違わないのですか?]
「そう。種族は違うけど、顔と性格は全く同じ。」
[ドッペルゲンガーって、ことですか?]
「ほぼ、そんな感じ。」
[ハハハッ、世の中はあまり変わらないということですね。]
「まぁ、そうですね。世の中、いい人は偉い人になりますからね。」
[そうだね。私はそろそろ寝たいのですがお願いを聞いてくれますか?]
「なんですか?」
[私にも、しっぽの枕してください。]
「いいですよ。」
タテナさんは、しっぽの枕をしてあげると顔を埋めて眠った。僕も眠たくなったので、僕はユウキくんとリョウナくんより早く眠るのだった。
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