第32話 騎士団長

朝起きて、しっぽのブラッシングをしてから少しモフり、リビングへ向かった。朝ごはんを食べたあと、買い物に行き昨日買わなかった、野菜類を買った。


〈姉ちゃん達よ、ありがとよ。今日の朝からは、野菜が入ってきたんだ。それだけじゃなく、奥さんが帰ってきたんだよ!ありがとよ、本当にありがとよ。〉


《いえいえでは、値下げしてくれませんかね?》


〈ほ〜う、姉ちゃん可愛い顔して意外とがめついな。いいだろう、合計で銀貨6枚だ。〉


《よしっ、買っ…》


〔ちょっと待った!もう少し安くできるやろ?〕


〈これ以上は、無理でっせ!〉


〔ほぉ~、じゃあ奥さんにゆってしまおうかな〜。命の恩人の客を騙してるて!〕


〈クソッ、銀貨3枚枚だ。〉


〔いいやろう。〕


〈うぅ〜。こいつは、正真正銘の根切りの達人だ。〉


〔うちは、簡単には騙せんで〜。〕


八百屋のおっさんは、泣きながら会計したのだった。

家に帰ると、騎士みたいな人が玄関前に立っていた。関わるとめんどくさそうなので、裏口から家に入った。


[ごめんくださーい。ごめんくださーい。]


「今誰も居ませーん!」


[返事しているでしょう?]


「今誰もいませーん!」


[あくまでも、いないということですか。わかりました、要件だけ言いますね。私は騎士団長、ソート・ケンナ。ケンナとお呼びください。要件は、ここにいる人達に国王様が会いたいと言っております。なので、ここに来たのです。要件は以上です。]


「どこから来たんですか?」


[ここから約900km離れた王都から来ました。徹夜で来ました。]


「疲れたでしょう。お茶とお菓子を出します。」


[いえ、お茶とお菓子ではなく、ご飯をください。昨日の夜から何も食べていないので。]


「Oh…。」


玄関を開けてケンナさんに入ってもらい、ご飯を振る舞った。


❨主、誰ですか、この人?❩


「騎士団長のケンナさんだよ。」


[そのとおり、私は騎士団長、ソート・ケンナです。]


❨私は、コチカ。小太刀です。❩


[??どうゆう意味ですか?]


「見てもらったほうが早いですね。」

「コチカ。」


❨はい!❩


そう言うと、コチカは、小太刀の中に入っていった。


[??もう、ワケガワカラナイヨ。]


〔あぁ〜、ソートちゃんや。〕


[えっ!スーユちゃん!死んだはずじゃ?]


〔そうやで〜。うちは今、幽霊やで〜。〕


[そうか、死んだままなのか。]


〔でもな、このペンダントのおかげで生き返ることもできるんで〜。幽霊にも戻れるしすごいもんやで〜。〕


[誰がそのペンダントをくれたんですか?]


〔ヨウカが創ってくれたんで〜。〕


「僕が、創りました。」


[ヨウカさんは、化け物ですか?]


「ひどいなぁ。ただの15歳の九尾の狐ですよ?」


[なんか、私の中の常識が壊れた気がします。]


〔わかるで〜、その気持ち。でもなれといたほうがいいで、みんな化け物やから。〕


『誰?』


[私は騎士団長、ソート・ケンナです。]

[スーユちゃん、この人も化け物なの?]


〔そうやな、本気出したらここら一体焼け野原になると思うで。〕


〘誰?〙


[私は騎士団長、ソート・ケンナです。]

[この人も?]


〔この人は、変なボールでモンスターを捕まえると、そのモンスターを仲間にできるんや。〕


[ほんとに、みんな化け物だね。スーユちゃん。]


《おはようございます。誰ですか?》


[私は騎士団長、ソート・ケンナです。]

[お母さんですか?]


《いいえ違います。私はコミチ。ご主人に創られた刀です。》


[ただの人間はいないの?]


〔生き返ったときの、うちしかいないで〜。〕


[Oh…。よしっ、王都に帰ろう。]

[ご飯ありがとうございました。美味しかったです。]


《お口にあって何より。》


[さよ~なら~。王様には、会いたくないと言っていたと伝えときますね。]


「ありがとうございます。さよ~なら~。」


ケンナさんが帰った頃にはお昼だったので、お昼ご飯を食べてから、冒険者ギルドに向かうのであった。

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