第27話
「さぁー! これでまずは私の一勝!! ふふーん? 私の講師の方が……強い!!」
『ぐ……負けは負けです。けどまだここからです。残りで勝てばいいので』
「言っとくけど私、麻雀ちょー強いからね? 自慢じゃないけど、ネトマで八段まで行ってるから」
:嘘乙
:こいつ今まで麻雀やった事なくね?
:配信ではやってねぇな。ただ前に雑談でちょろっとやってるとかは言ってた気はする
:雀心ってあれ段位制だっけ?
:雀心はエモート煽りがウザイからやらないとか言ってたから、地鳳でやってんだと思う。
:麻雀知らんけど八段ってイキれるレベルなん?
:地鳳で八段はマジならかなり強い。
:麻雀上手いって言っても納得はできるな。ってレベル
:はえーサンガツ
:夢ちゃんと兄貴の顔が開示される……!?
:兄貴「なんでなん??」
:マジで兄貴と彼氏が流れ弾すぎて笑うんよ
『八段……? ……なるほど、そこまで自信がある理由がわかりました。かなり強いんですね。ですが私だってそれなりに麻雀の勉強をしたし、強い人に教えて貰いました。あなたには負けません……!!』
「ふふふ……やれるものならやってみなよ!! まぁ、勝つのは私だけど!! いぇーい!!!」
:うっざ
:調子に乗るな
:うるさい
:存在がやかましい
調子に乗りまくってる穂澄さん。表情がニッコニコしており締まりがない。デフォルトだと優人さん譲りの鋭い目付きなのに、今は結衣子さんみたいにへらぁと緩みきっているし、こっちに向かって器用にピースをしてみせる。
(ランスロット君、これ……大丈夫か?)
(……まぁ、大丈夫です。想定とは違いますけど……)
元々、僕らの想定としてはここで穂澄さんが負けるはずだった。
そして麻雀では穂澄さんが勝って……って流れを予想していたので、この状況は完全に想定外。
……本音で言えば盛り上がり的な意味でも三戦目までいってくれた方がありがたいけど、二戦目で……ってなっても一応問題は無い。元々、結構ガバい作戦だからこっからでもカバーはできる。
(一応、何かあったらすぐに動けるようにしましょう。アーチャーさん)
(了解だランスロット君……俺から言っといてなんだが、このコードネームの意味ってあるのか?)
(かっこいいでしょ)
(……これが若さか)
何か言いたげな優人さんから視線を外し、改めて僕らは配信に意識を向ける。画面の中で夜芽アコはご機嫌に首をゆらゆらさせてる。よく見ると穂澄さんの足もご機嫌にパタパタと揺れている。マジで調子に乗ってるなぁ。
「さぁーて! 次の麻雀は雀心でやるんだよね〜? いいよいいよ、なんなら三人がかりでもいいよ。ほら、そっちの事務所に他のVtuber居るよね。枕野羊太さんとか〜ウフフ〜」
『そんな事はしませんよ。CPUを交えた四人打ちの半荘です。CPUのレベルは低いので、実質タイマン勝負です。順位が上だった方が勝ち。これで構いませんね?』
「いいけど、本当にタイマンでいいの〜?」
『……はぁ〜……わざと無知なのか知りませんが教えてあげます。枕野さんは一身上の都合で引退しました。他のメンバーはそもそもこんな配信に来るわけないです。この話は終わりです。部屋作ったのでさっさと来てください!』
「え?」
:あっ(察し)
:あいつ引退したんか
:草、なんで知らねぇんだよ
:あんま人気なかったし……
:確かリスナーとオフパコしたのがバレたんやっけ
伝説の虫けら:リスナー相手にガチ恋営業じゃなくて枕営業した奴か
:そういやアコが夢ちゃんの彼氏が枕野じゃね? って言及した時、枕野リスナーがアコを荒らしに来たけど元々チャット欄荒れてるから帰った事もあったよなぁ
:ここの民度はカスだからな
「あっ……そ、そうだね。今から行くよ!! ……知らなかった……」
あったなぁ枕野オフパコ事件。まぁこの手の界隈だとよくある話で、リスナーとオフパコしてそれをリスナーの方が暴露系YouTuberにリークして発覚。みたいな事は昔からよくある。
と言っても、リスナーに金せびったりとかそういう悪辣な内容ではなかったので僕としてもまぁ……よくある事だな。って感じの事件だからすっかり頭から消え去っていた。
ただ一つ面白かった事があるとすれば、枕野がツブッターで『実家のおばあちゃんにマッサージしてあげたい@(;-; )@』って呟いたらそれがオフパコしてぇな。って合図だったって事かな。
そのせいで枕野塾専とか、羊の角を表してる『@』が両手にゴム持ってんのか? とかネタにされてたのには笑った記憶がある。
(…………)
(あれ、どうしたんですかアーチャーさん。なんか微妙な顔してますけど)
(いや……若いと目先の欲に釣られちまう事ってあるよな、って)
(…………配信を見ましょう)
優人さん関連の話は色々とぶっ飛んでるので置いておいて、僕らはついに始まろうとしてる麻雀配信に集中する。
「ふーん? 強さのランクが雀結……ふーん、私の敵じゃないね〜。始めたばかりかな〜?」
『人の事を言えた義理じゃないですよね。そちらのランク、初期のまんまじゃないですか。そもそも私は別垢の方でメインにやってるので本来ならもう少しだけ上ですよ』
「私もそうだし。別垢あるけど配信用に作ったばっかりだし。そもそも普段雀心はエモート煽り嫌いだからやってないし、地鳳じゃ八段だし」
『…………へぇ、そうなんですね』
:スラブラで煽り散らかしたやつがエモート煽り嫌いって言ってる草
:人間そんなもん
:ワイらも煽るのは好きやが煽られるのは嫌いやしな
:クズのインターネット
伝説の虫けら:┐( ᐛ )┌
「さっ、じゃあ早速やろうか! あ、そうだ。わかってると思うけど、お互い手牌は隠そうね。鳩コメとか湧きそうだし」
『言われなくてもわかってます。
……さぁ、はじめましょう!!』
そんなこんなで、麻雀バトルが幕を開けた。
△▼△
「……むぅ。案外しっかりした打ち筋。手堅いね」
『あなたに褒められても嬉しくないですが……師匠のおかげとだけ、言っておきます』
麻雀バトル、今回は意外にも翔華が善戦している。
まず穂澄さんが基本的に速攻でアガリ、ジワジワと点差は広がっているが……翔華が穂澄さんに振り込む事はない。
僕もここ数日の穂澄さんの麻雀講釈を聞いていたから何となくスジとか安牌がわかるけど、翔華は穂澄さん相手に危険牌を落とす事をしていない。
手堅い。守りに集中して点差を開かない事を心掛けている堅実な打ち筋。この打ち方ならラス(最下位)になる事はないだろうけど……
「はいローン! うーん、CPU弱すぎるね〜。やっぱり人居れた方が良かったんじゃないかな? まぁ、巻き戻しはしないけど」
『くっ……!』
四人打ち用に入れたCPUがあまりにも弱すぎたのが問題だ。
翔華は振り込む事はない。けどCPUが振り込むから穂澄さんにとってはいいカモらしく、今回もCPU相手にアガリを決めた。
ラスはないが勝ちもない。今の翔華はまさしくそんな状態だ。
……やっぱり翔華が勝つのは難しいだろう。そんな事を考えてる内に次の場が始まる。
『……ふふん、そんなチマチマとアガってていいんですか? その程度の点差なら、すぐに捲れますが』
「守ってばかりの天谷夢華ちゃんには言われたくないなぁ〜。まぁ、堅実だけど……素直な打ち方だねぇ。それじゃあ勝てないよ」
『言っててください。勝つのは私です!』
:守るって単語聞いたら240円思い出す
:守護る。な?
:騎士君帰ってきて
:またあのポエムが聞きてぇよ
会話を交わしつつ、次々と場が進んでいく。
……静かに進んでいくな。そこで気になった僕は穂澄さんの後ろから画面を覗く。配信上では勿論穂澄さんの手牌は見えないけど、パソコンの画面上で見ると手牌が見えるわけで…………うわっ、なんだこの待ち。
『……!! リーチ!!』
喜色をにじませた翔華の宣言と共に捨てられた牌。
それを見てやばいと思った瞬間────
「ロン」
穂澄さんの死刑宣告が響いた。
『……えっ!? な、なんで……!? リーチとかしてないのに……!』
「だから言ったでしょ〜。素直な打ち方だねぇって……役は字のみでダマテンだよ〜。安くてごめんねっ!」
『こ、こいつ……!』
:うわぁ
:絶対わざとやろ
:ダマテンはまぁしゃーないやろ
:まぁ麻雀上手い奴なら読めるけど
:夢ちゃんは初心者っぽいからなぁ
:安いだけまだマシか
:にしてもコイツ安い手でアガる事多いな
:ネトマ慣れしてる打ち筋
:つーか麻雀うめぇなアコ
:クソザコかと思ってた
わざわざダマテンにしたのは、翔華に対する狙い撃ちもあるのだろう。
……やっぱりこの人、頭を使うゲームだととても強い。残念だけど頭は本当に良いんだよなぁ。
「まぁまぁ、天谷夢華ちゃんも頑張ってるよ。守るのは得意みたいだしね。ただまぁ……攻めについては教えて貰えなかったのかな? 守るだけじゃあ麻雀は勝てないよ〜! 師匠さんもちゃんと教えてあげたらよかったのにね。まぁ……それでも天谷夢華ちゃんや師匠さんより私の方が強いかな!!」
『…………へぇ?』
……長年の付き合いだからわかる。この翔華の声は心の底から機嫌が悪い時の声だ。
これは、怒るか? そう思ったけど翔華は怒らない。深呼吸のような音が画面から聞こえたと思ったら、ぽつりと何かを呟く。
『……勝ちは運。負けは…………ええ、はい。そろそろ本気で行かせてもらいます。私の好きな手法じゃありませんけど……四の五の言ってられません。全身全霊であなたを倒します』
「ふふーん? まぁ頑張ってね。さて、次は私の親番だからー……ここで終わらせちゃおっかなぁ!」
『ポン!!』
「えっ、速い」
次の場になった途端、翔華は鳴いて早々と手を進めていく。
さっきまでは守りの麻雀。けど今は全力で攻めに回っている。続け様に二回鳴いて、翔華の手牌が整っていく。
「……はいはい。なるほどねー。鳴くのはいいけどそれじゃあ待ちがバレバレだよ。タンヤオか字のみかな? まぁ〜そこは落とさないからね」
鳴くと手が見えてしまうので、穂澄さんからすれば読みやすいのだろう。
穂澄さんがその牌を落とす事はまずないけど……翔華がここまで無策に鳴くとは考えられない。あいつも頭の周りは悪くないし…………待てよ、まさかあいつ……?
「ふふふ、そんな見え見えの攻めじゃ私は落とせないよ〜落とせるのはし……かれぴだけ!!」
:うざ
:こいつから点棒むしり取ってくれ
:かれぴどんな奴なんやろ
:まぁ顔出しでわかるか
『ロン!!』
「えっ!?」
突如として響き渡った翔華の声。
穂澄さんの牌に当てた……わけじゃない。穂澄さんの次……CPU相手にロンをぶち当てた。
「えっ、ちょ、それ捨てるのCPU君!? 見え見えの当たり牌じゃん!!」
CPUのカスい打ち手に驚いてる穂澄さんだが、さっきまで同じ事をしていた穂澄さんがそれを言うのかよと思う。でも人間ブーメランに気づかないから仕方ないのかもしれない。
『タンヤオドラドラ……まぁ、安い手ではありますけど、アガれば勝ちです。アガれば』
「ふ、ふーん! でもまだ私の方が勝ってるしね! ノーダメ! ノーダメ!」
『……あれぇ? ここで終わらせちゃおっかなぁ(ニチャア)とか言ってませんでした? あー、はいはい。そういうイキリですか。私よりお歳が上でいらっしゃるなら、身の振り方を考えないと……イタイを通り越して激痛になりますからね。ちゃんと治しておかないとダメですよ? おば……おねえさん?』
「こ、こいつ……!!」
なるほど。守りはやめて攻め……CPU相手に狙い定める事にしたのか。
僕は麻雀詳しくないからわからないけど、これは確かに良い手だと思う。勝てる相手から潰していくの定石だし……CPUを入れた影響色々出てきてるな。これは勝負がわからなくなってきたぞ……
『勝負はまだまだこれからです。そしてここまでの麻雀であなたの事はわかりました。いわゆるデータ打ち。牌の効率を重視してそれで堅実に勝ちに行く……ですね?』
「……何が言いたいの?」
『だったら私のやる事は一つです。
……運頼りは苦手です。でもこうなったらやるしかないじゃないですか……運ゲー上等のオカルト打ち全ツを!!』
「正気!?」
『狂気の沙汰ほど面白いですよねぇ!!!』
:正気か?
:正気の奴はこんな企画やらない
:みんな頭がおかしくなっちゃった
:腹痛いw
:兄貴&彼氏「頭が痛い」
:胃を痛めてそう
『はいポン!!』
「CPUー!? なんでその牌落とすー!? 河を見ればダメってわかるよねー!?」
『ロン!! チンイツタンヤオドラ!!』
「だぁぁぁぁ!!? 萬子を捨てるのおバカ過ぎないCPU君!? CPUって普通賢いでしょ!? 今の世の中はAI時代だよ!? 知能アプデしとけー!?」
『やかましいですね。負けてるからって騒がないでくださいよ』
「ぐぬぬ……ま、まだ点数は勝ってるし……!! 運ゲーになんて︎負けない……!!」
:バカヅキで草
:ビギナーズラックか?
:アコの暴言に落ち着く俺が居る
:ほーん。麻雀簡単そうやん
:いやこれは運がおかしい
:つかカスみたいなCPU入れたからこうなってんのもあると思う
:それはそう
:雀心のCPUはサンドバッグみたいな所はある
伝説の虫けら:リアルで金賭けて麻雀やれ
:博徒もいるねぇ
翔華による怒涛の攻めにより、穂澄さんはジリジリと追い詰められていく。
途中で何とか穂澄さんがアガったりもしたから……点数自体はまだ穂澄さんが勝っている。
けれどあっという間に最後。トントン拍子でオーラスになってしまった。
「……ふ、ふーん。やるじゃない。でも最後は私が逃げ切ればそれで勝ちだからね!!」
『へぇ、そうなんですか……』
画面の向こうで何かを考え込む様子の翔華。
確かに点数的にはまだ穂澄さんが勝っている。けどここから翔華がアガれば、この勝負は翔華の勝ちだ。
ただ、流石の穂澄さんも頭が冷えたのか、深く深呼吸をして感情を整える。先程までは打ちながら頭を抱えていたが、今は冷静な表情で画面を食い入るように見ている。
「大丈夫、勝てる勝てる。こんな運ゲー上等に負けないから。麻雀はデータだよデータ。私は一回も振り込んでないし、運なんかに負けない……!! このまま逃げ切れば……!!」
『…………』
その時だ、ゲーム内で翔華が使ってるキャラクターが「やれやれ」なんて妙にムカつく顔で言ってるエモートをやりだした。
……あ、こ、こいつ……!!
「…………は?」
《やれやれ》
「なにそれ。うざいんだけど」
《やれやれ》
「おいそれやめろ」
『私じゃないですよ。知ってますか? 最近のゲームってよく出来てましてね。いわゆる感情表現をエモートでしてくれるんですよ。今回はアレですね、私はこのキャラの気持ちがよくわかるので代弁しますが……「やれやれ。逃げるんですか? あなたの八段は大した事ないですね。家に籠って延々とデータデータ言ってれば?」って言いたいみたいですね。あ、私じゃないですよ? この子が思ってる事ですからね』
「この女ァ……!!」
《やれやれ》
『AIって凄いですねー。技術の進歩ってスゲー』
「ギッタンギッタンにしてやる……っ!!!」
伝説の虫けら:(っ'-')╮=͟͞ く
:ブーメラン芸
:やった事が跳ね返ってきてる
:自 業 自 得
:夢ちゃん……?
:これ夢ちゃん勝っても今までのキャラで売るの無理やろ
:でもこの実家で声が低そうな夢ちゃん結構好き
:兄貴もこの配信見てるんかな?
:イェーイ。兄貴みってるぅー?
:お前の妹だろ、どうにかしろ
†裏切りの騎士†ランスロット:世の中の兄は妹に勝てないから。ソースは俺
:自分語りキッツ
アーチャー:wwwww
思わずあらかじめ作っておいたサブ垢でそんなコメントをしてしまう。だってマジで勝てないし……
というかまさか、翔華が煽りカスになるとは思ってなかった。手段を選ばないとは言っていたけど、まさかここまでやるとは。
ただやっぱり煽りの効果はテキメンで、穂澄さんは苛立たしい様子で画面を見て、マウスを握り潰さん勢いでクリックしている。
打ち筋も先程までの論理的な物はない。ただひたすら早くアガるために前のめりで全力でやってる。
ただお互い牌が揃わないのか、先程までとは違って淡々と、静かに場が進んでいく。
このまま最後まで流れたら、勝ちは穂澄さんになりそうだけど……さっきまで鳴きまくっていた翔華が一切鳴いていないのが、少しばかり引っかかる。
けど、それも一瞬。
『────リーチ』
翔華が、動いた。
「! ……いや、大丈夫。鳴いてないけど、あの河なら待ちはわかりやすい。ドラがどこにも落ちてない。そして捨牌的に十中八九筒子の染め手。字牌の落ち方的にホンイツはない。タンヤオもあるかな……大丈夫。ここに振り込みさえしなければ私の勝ちだから」
『ええ、そうですね。だからこれは運ですよ、運。私は引きに賭けます』
「オカルト論者め……いいよ! 私のデータ打ちの方が理にかなってる事を教えてあげる……!!」
穂澄さんは揃えていた手を崩し、完全に降りる構えを見せる。
安牌を落とし、絶対に振り込まないように立ち回る。
刻一刻と、場が進んで行く。
そして最後、穂澄さんが牌を引いて……ニヤリと笑う。
「いやー、よく頑張ったよ。でも残念ながら私の逃げ切りだねー……ふっふっふ、今からスーツの用意でもしておくんだ……ねっ!」
そう言って穂澄さんが最後に、一萬、九索のどちらを捨てるか少しだけ悩む素振りを見せると、一萬を切る。
これで終わりか……いや、翔華はよく頑張った。ただ相手が悪かったんだ。大丈夫、後は任せろ。僕が何とかしてやるから────
『────御無礼。ロン』
「…………えっ?」
『だから、それ、ロン』
「はぁ!?」
そう言って明かされた翔華の手牌。リーチのみの安手ではあるが……赤含めてドラが4。そこに更に裏ドラも乗る。
そして加えて言うなら……待ちが一萬、九索のシャボ待ちだった。
「しゃ、シャボ……!? 嘘でしょ……!? てか待って、このドラの数……!?」
『跳満ですね。……データ論者はシャボで殺せ。私の師匠の教えです。そしてあなたにこの言葉を送りましょう────勝ちは運。負けは……実力!!!』
「や……やってらんないよこんなゴミクソ運ゲー!!!」
:草
:台パンありがとう
:お互い得意ジャンルで負けてるの草生える
:でも熱くねぇかこの勝負
:切り抜き確定
:台本あんのかよってぐらい綺麗な流れ
:配信はよぉ! 台本のねぇドラマなんだよぉ!
:盛り上がってまいりました
:どっちも頑張れー
:これ見てると負けた方が引退するの悲しいな
:どちらが生きるかくたばるか
ダァン!! 翔華の勝利を称える祝砲のように、穂澄さんの台パンが響き渡った。
かくして、二戦目の麻雀勝負はまさかの、翔華の勝ちで終わったのだった。
……図らずもめちゃくちゃ熱い勝負になってないこれ?
後書き
近況ノートに描いてもらった穂澄さんと翔華が居るからみんな見て欲しい!!
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