第26話
「僕ちょっと出かけるから。適当な時間で帰ってくるから好きに過ごしてて」
「あれ? 用事でもあるの?」
「今日は勝負の日だろ? 僕が居ない方が好き勝手やれるかもしれないし、何より自分の家で顔出しが賭かった勝負が行われる事実から目を逸らしたいからネカフェで現実逃避したいなって」
「ご、ごめんて……」
「そこはまぁ何回も謝ってくれてるからいいけどさ」
金曜日。学校が終わって速攻で家に帰ってきた僕は、色々と下準備の為に出かける……前に翔華に声をかけた。
「まぁ、頑張ってくれ。信じてるから。スーツ着て謝罪配信とか絶対嫌だからね」
「わかってるよ。それに心恵さんにも協力して貰ったんだし、負けるわけないよ。麻雀もそれなりに出来るようになったし、隙はないから」
「兄にVバレした奴がなんか言ってる」
「妹にレスバ仕掛けないでよ」
ネットで鍛えた言葉遊びも程々に、僕は右手を上げて激励の言葉を送る。
「じゃあ、健闘を祈るよ。いろんな意味で」
「はいはい行ってらっしゃい。絶対勝つから安心しといて」
その言葉を背に、僕は家を出て穂澄さんの家へと向かう。
……さぁ、ここからが正念場だ、ランスロット。
△▼△
「よーし! 勝つぞー!!」
『おー』
元気いっぱいやる気十分な穂澄さんに続くように僕と優人さんは声を上げる。
ここは穂澄さんの部屋。僕らは事の顛末を見守るべく、この場に集まっていた。
「準備は完璧……!! 結局翔華ちゃんには勝てなかったけど、スラブラに関しては結構上手くなったから……大丈夫!! 麻雀は絶対勝てる!! ヤリカは勇気でカバー!! この布陣に隙は無いよ!」
「隙のバーゲンセールだよ」
「ずっと閉店セールやってる店みてぇな感じだな」
「ここから始まる新装開店だよ!! グランドオープン!!」
雑談はさておき、時間的にはもうそろそろ始まると言った感じだ。
……胃がキリキリするなぁ。この歳で胃痛を抱える事になるなんて思ってもみなかった。
「えー、とりあえず僕らはここでどうなるか見守らせていただきます。声は出さないんでそこは安心してください。その為の優人さんです」
「お互い声出そうになったら止めるゲッシュを結んだからな」
「おっけー! ……そのぉ、ちなみにママは大丈夫……?」
「ああ、結衣子は部屋で仕事してる。作業量的にしばらく出てこねぇよ。それに部屋の扉もしっかり閉めてるから、聞こえる事はねぇ」
「そういえば防音でしたもんね、この家」
「ああ、締め切り前の結衣子はエキサイティングだし、娘もこうだからな。防音じゃなきゃご近所との付き合いがな……」
「ああ……」
「え、ちょっと待って。私ママよりはうるさくないよ??」
「…………よし。頑張れよ心恵。パパは応援してるぞ」
「答えになってないよ??」
「そろそろ時間ですよ。準備しなきゃ」
「あ、そうだね! ……うう、緊張する……大丈夫、大丈夫! 俊介君や翔華ちゃんのためにも勝つぞぉ……!!」
そうやってヘッドセットを装着する穂澄さんを横目に、僕らはヒソヒソと小声で話し合う。
(そっちの準備は大丈夫か? ……ランスロット君)
(問題ないです。アーチャーさんの方は?)
(アーチャーて……いや、まぁいい。こっちも大丈夫だ。後はタイミングだな、タイミング)
(ええ……お互い生きて帰りましょう)
(……矢〇けの加護とガッツがありゃなぁ)
(それ逆に死ぬやつですよ)
僕らの準備もOK。そして穂澄さんがカチカチとパソコンを弄って準備をすると、配信が始まった。
目の前で配信してるとは言え、距離があるので僕らもスマホで夜芽アコの配信を開いて配信内容を確認する。
「あー……こんやみー! 負ける気がしねぇ!! 気分はドラゴンな夜芽アコだよー!!」
:鍵かけて封印した方がいいんじゃねぇのコイツ
:ついに始まったかー。じゃあの夜芽アコ。二度と戻ってくるんじゃないぞ
:さぁ、刑罰を始めよう。
伝説の虫けら:カップル配信以外で5万投げねぇから欲しけりゃ勝ってこいクソアマ
:虫けらがデレてる
:ツンデレやん。萌えキャラの才能あるぞ
:なんやかんやコイツ毎回居るよな
:ツンデレじゃねぇか
伝説の虫けら:( ᐛ 凸)
:やっぱ240円はいねぇなぁ
:首でも吊ったんじゃね?
「虫けら優しい。へー? お可愛らしい虫さんだね。まぁ5万円は絶対投げさせるから安心してねツンデレの虫けら」
伝説の虫けら:コメ拾ってねぇで配信に集中しろや
「虫けら……! ……まぁ、でもそうだね。今日は絶対勝つから!! 一応天谷夢華と通話しながら対戦って感じだけどー……あ、きたきた。もしもし?」
『はいもしもし。聞こえてますか?』
「うん聞こえてるし配信ももう付けてるよ。そっちは?」
『こっちも準備終わってます。まぁ……今日で最後になると思いますが、よろしくお願いしますね』
「あはは、安心してよ。天谷夢華亡き後は私がそっちのリスナー……ドリー民だったかな? ちゃんと受け入れてあげるからね」
『私はあなたが居なくなってもやみんは受け入れないですからね。夢の国に病みは必要ないので』
「ふふふ」
『あはは』
:︎( ;ᗜ; )
:なんも言い返せねぇ
:赤スパ投げるから受け入れてくれ
:ドリー民なんぞになりたくねぇわ。戦争じゃ、潰せ
:バッチバチやんけ
開幕からバッチバチ。配信者もチャット欄もあったまってる。
ちなみにドリー民とは、天谷夢華のリスナーの総称である。確かドリーミングから取ってドリー民とかなんとか。色々考えられてるなぁリスナーの総称って。
「まぁ御託はいいよ。改めてリスナーにルール説明してからやろうか」
『はい。えー、お互いの概要欄に書いていますが、ルール説明。
三本勝負で二本先取した方が勝ちというシンプルなルールです。対戦内容は主にゲーム。一本目がスラブラ、二本目が麻雀、そして三本目がヤリカとなっています。
そして負けた方が、兄あるいは彼氏と一緒に顔出しして謝罪して引退……で、間違いないですね?』
「うん。間違いないよ。ご尊顔を拝むのが楽しみだねー!」
『それはこちらのセリフでもありますねー!』
:夢ちゃんの顔を見たい
:アコの顔面開示は事故りそう
:Vの中身に顔面偏差値を求める奴www
:アコが美人なら手のひら返すコーンは多そうだな
:かれぴが居るならコーンは来ねぇだろ
:240円……
:守護れなかった……
「……コーンってなに?」
『は?』
「いや、さっきからチャット欄でコーンって書いてる人が多いから」
『コーン…………よくわかんないですけどそんな意味不明なコメント拾わないでいいから早くやりましょう。変なこと書かれるのはいつもの事でしょ?』
「まぁそうだけど……」
:ユニコォォォォォン!!!
:オーオーオーオー
:覚醒ハイパー!!
:パチンコしか浮かばねぇ
:昔10万負けた
:カスしかいねぇ
ちなみにコーンとは悪辣なスラングなのでここの天谷夢華の対応は正解でしかない。
というか翔華、絶対コーンの意味はわかってるんだろうな。あいつもネットで揉まれてるんだなぁ……なんか横で優人さんが小さい声で(懐かしいなあの台……)とか言ってるけど特に返す事も無いので無視する事にする。
『あぁ、そういえばドリー民の皆、今日はあんまりコメントに反応できないと思うけどごめんね。でもチャット欄は見てるからね!』
「あ、私も私も。今日はあんまり反応できないと思うけどごめんね〜。まぁチラッと見たりはするから好きに書いてていいよ」
:ええよ
:本気でやる気じゃん
:まぁどうせコメントにキレるやろ
伝説の虫けら:ゲームに集中しろ。
「よし! じゃあまずはスラブラからだね! 残機3で! アイテム無しのタイマン!」
その言葉と共に画面に映ったのはスラブラのキャラ選択画面。
……お、よく見たら穂澄さん、地味に全キャラ解放してる。翔華とずっとタイマンで対戦してたけど、裏でも一人でちゃんとやってたんだなぁ。
『はい。ステージギミックもオフです。正真正銘のタイマン……私は勇者ランクです』
「じゃあ私はー……そうだなぁ。ウッキーコングで!!」
『ウッキー……はい。そうですか、わかりました。全力で捻り潰します』
「それはこっちのセリフ!! 私だって強い人に教えてもらったんだから、舐めてかかると痛い目見るよ!!」
そうして選ばれたの宣言通り、勇者ランクとウッキーコング。
翔華のランクに関しては言うまでもないが、穂澄さんはここ最近、ずっとウッキーを使っていたから選んだのだろう。おそらく、ウッキーの使い方に関しては僕より上手い……と思う。それでも翔華に勝てるかは微妙だけど。
そんな事を考えてる内に、対戦が始まる……!
『ふーん。意外とやりますね』
翔華によって操作されている勇者ランクは剣のコンボで的確にウッキーを切り刻む。
けど穂澄さんはそれに冷静に対処し、的確なガードと回避で被弾を減らしている。この前までの穂澄さんなら間違いなくこの時点で吹き飛ばされていたが……上達が見える。
「言ったでしょ! 強い人に教えてもらったって!」
:意外と粘ってるな
:ワンチャンあるか?
:昔スラブラやった時はクッソヘタクソやったけど
:っても夢ちゃんには勝てんて
:いけいけ
:アコを鍛えたヤツ有能やな
そして回避しつつもその合間に少しずつ攻撃を叩き込み、勇者ランクにダメージを与えていく。
ウッキーの攻撃力は高く、その少しの攻撃でも確実にダメージを減らしていくわけで……
(これ、娘結構有利なのか? ダメージは向こうの方が多いが)
(パッと見は心恵さんが有利ですけど……翔華、まだ本気出てないです)
(……マジ?)
(マジです)
僕や穂澄さんと本気で戦うって時は、いつも一瞬で吹き飛ばしてくる。
それをしてないってことは、今はただの様子見であるという事で────
『はいはい。なるほどねー。確かに上達してますね。教えた人の腕は良いと思いますけど────』
──ここからが、本気というわけだ。
ウッキーがガードをした瞬間、投げでウッキーを掴んだ勇者ランクはそのまま地面に叩きつけ、ガードを砕く。
そして叩きつけられた反動で浮かび上がった隙だらけのウッキーを見逃す訳もなく、追撃と言わんばかりに飛び上がって切りかかる勇者ランクの剣撃でまるでバレーボールのように空を舞うウッキーをそのまま──場外へと叩き落とした。
『──まぁ、私の方が強いですね』
「なっ!?」
:知ってた
:まぁ粘った方だよ
:ランクとウッキー相性悪いはずなんやけどな
:天谷夢華の方がうめぇからしゃーない
:さよなら夜芽アコ
残り残機は3-2。勇者ランクの体力が結構削られてるとは言え、ストックが減ったのは痛い。
やっぱりスラブラで翔華に勝つのは無理だよなぁ……まぁ、予想通りではあるけど。
けど……穂澄さんの目に諦めはない。必ず勝つという意思が込められている。
「まぁ……確かにあなたは強いよ。でも、私に教えてくれた人の方がもっと強い!! だから……負けるわけにはいかないの!」
『まぁ、その人より私の方が強いと思いますけどね』
「……ふぅぅぅん??」
その言葉と共に再びフィールドに降り立ったウッキー。降り立って最初の数秒は無敵時間もあって今が攻め時だが、それを理解してる翔華はフィールドの端まで逃げ、ウッキーから距離をとる。
しかしウッキーは何故か反対側の端に移動する。
何をする気だ? そう思った瞬間────ウッキーが絶妙にムカつく顔で肩を竦めだした。
『……は?』
:あ
:草
:やりやがったwww
:だからウッキー使ってんのかよw
:煽りカスやんけw
:これしかないねん……勝つ道ないから仕方ないじゃないですか!
:そのネタだれがわかんねんw
:ばっこり煽っていくぅ〜
画面越しからでもわかるぐらいの翔華のブチギレ声。しかしそんな事に気づく様子もなく、ウッキーはひたすら画面端で煽る。煽り続ける。やっぱこの絶妙にムカつく顔好きだな。いやそうじゃなくて
『……なんのつもりですか? 教えてくれた人、マナーまでは教えてくれなかったんですね』
「マナー守っても顔は守れないの!!! それにこれは煽りじゃないから。なんかほら、私の方が強いですね(キリッ)とかなんかカッコつけてるからウッキーが呆れてるだけだよ。最近のスラブラは音声認識とAI機能が搭載されてるから、こういう事もしてくれんだよ? ねっ? ウッキー?」
《ウホォwwwウホォwww》
今度はブルブルと震えて変な顔と笑い声を出すウッキー。これもまた絶妙にムカつく。
「ほら、こんな風に笑ってもくれる。弁天堂ってすごいねー!!」
『…………このクソアマァ……!!』
:夢ちゃん??
:この子も煽りに弱いのかよw
:似た者同士じゃん
:いやこれはキレるて
:弁天堂に対する熱いヘイトスピーチやめろ
:マジで音声認識とかAIあんの?
:あるわけねぇだろw
「まぁ天谷夢華ちゃん。そうやってカッコつけたくなる時もあるよね。でも人間ってそれを乗り越えていかなきゃダメなの。厨二病とイキリは中学生で卒業しないとダメだよー……あ、そっか、もしかしてまだ中学生なのかな? ごめんね! 知らなかった! 許してねー!」
『潰す!!!』
煽りですっかり頭に血が上った様子の翔華はウッキーに突っ込み、切りかかる。
だが冷静さが欠けたコンボは全てウッキーに的確にガードされる。
「んふふ、踏み込みが足りない……よっ!」
『はぁ!?』
調子に乗った穂澄が操るウッキーの強烈な一撃がついに勇者ランクに叩き込まれる。
勇者ランクは逃れようとするが……それすらを読んだウッキーの必殺コンボが勇者ランクに叩き込まれ──〆のパンチで勇者ランクは場外へと吹き飛ばされた。
「あれ? 天谷夢華ちゃんの方が強いんじゃなかったの? それとも強い言葉を使っちゃっただけ? 良くないねー、そういうのは良くないねー? 企業所属なんだからコンプライアンスは大事にしようねー? お姉さんからのアドバイス!!」
:お前が言うな
:本当にお前が言うな
:こいつ煽る時だけキレッキレなのなに?
:てか今回なにでこんなキレてんのw
伝説の虫けら:教えてくれた奴をバカにされた感じだからじゃね?
:そういや前も比翼連理さんがバカにされた時にキレてたな
:義憤のアコ
『言わせておけばさっきから……!! コンプライアンスに関しては完全なブーメランでしょう!! 個人勢だからって何やってもいいと思ってる? お前さぁ! 前に企業案件は来ないとか配信で言ってたけど、そんな発言ばっかりしてて来るわけないじゃん! てか私知ってるんだからね! お前が前に著作権的にギリギリアウトっぽいロ〇クマンエ〇ゼの同人ゲー配信でやってたの! それで企業案件欲しいとか片腹痛いんですけど!!』
「あ、あれは知らなかったの!! 皆がやれやれって言うからやっただけだし!! そもそもあれはシステムが元のゲームと同じなだけで素材とかは流用してないやつだからギリギリセーフだよ!! てかもしかして私の配信結構見てる? もしかして実はファンのツンデレさんかなぁ〜?」
『アンチだよ!!!』
「私もだよ!!」
そうして始まったのは生の感情を剥き出しにした女同士の醜い争い。
画面の中でシバきあってるの勇者ランクとウッキーだが、僕には翔華と穂澄さんが掴み合いの喧嘩をしてるようにしか見えなくて笑うべきなのか空を仰ぐべきなのかわからなくなる。これが僕と全く関係ない人達の喧嘩なら笑ってたけど、流石に身内なので空を仰ぐ事にする。
というかなんか試合がやばい。お互い口論に集中してるからゲーム内の操作がめちゃくちゃだ……あ、ヤバっ、勇者ランクが自滅した。って事は……
『あっ!? や、やばっ! 逆転してる!?』
「え!? ……ほんとだ! 1-2になってる!!」
:もうリアルファイトで決着つけた方がよくねぇか?w
:リアルファイトしようぜ!!
:顔中草まみれや
:あーもうめちゃくちゃだよ
:お前らス〇ゼロでも飲んでんのか?
まさかの、穂澄さんの優位に立っているという状況に僕と優人さんは思わず目を見開く。
ま、まさか……いや、これは運が良かっただけだ。流石に穂澄さんが勝つとは考えにくい。
(……娘がすまんな……)
(いや、まぁ、穂澄さんの性格的にあそこでピキるのはわかってるし大丈夫ですよ。というかなんでキレるとあそこまで口が回るんですかあの人)
(……結衣子に似てるなぁ)
(はい……)
「ふふーん? やっぱり大した事ないね! 私に教えてくれた人の方が……強い!!」
『……もうそんな挑発に乗らない。偶然で優位に立ったとはいえ、調子に乗らないでください』
《ウホォwwwwウホォwwww》
「私じゃないよ。ウッキーが勝手に」
『うっさい』
流石に落ち着いたのか、勇者ランクは先程とは違い的確なコンボでジリジリと、ジリジリとウッキーをフィールドの端まで追いやる。
流石に落ち着いた翔華相手には分が悪い。穂澄さんのウッキーの体力も減っていき、このままでは負けるが……それでもまだストックはある。けど、実力差的に勝つのは……無理だろう。
穂澄さんは本当に頑張った。まぁ煽りに関しては程々にしておけ……って思うけど、それでもあんなド下手くそな状態からよくここまでやった。
次は麻雀で頑張ってもらって……そこまで考えたところで、気づく。
穂澄さん、笑ってる──?
「強い人ってさ、動きがよく似てるって思うんだよね」
穂澄さんの言葉に翔華は答えず、淡々と、的確に体力を削っていく。
ウッキーの体力は最早風前の灯火。そして最後の一撃を叩き込もうとした瞬間───
「だからさ、使うコンボも同じだから──差し込めるタイミング、覚えたんだよね」
──ウッキーが、勇者ランクを掴んだ。
『ちょ!?』
「知ってる? ウッキーで絶対一本取れる技? まぁ、いわゆる────道連れだけどね」
そしてウッキーが勇者ランクを腹の部分を掴むと──フィールドの外に向かってバックドロップ!! そのまま二人揃って奈落の底に落ちていく。
……現在の残機は1-2。同時に落ちたとはいえ、ウッキーの残機はまだ残っているから────
「……勝ったぞぉ〜!!! ほら!! 皆見てた!? 私だってやれば出来るんだよ!!」
:おおおお!!!
:今のは魅せプやろ!!
:やるやん!!
:初めてお前のことスゴイって思った
:煽って勝って恥ずかしくないんですか?
:マナーで顔が守れるかよ
:すげぇわマジで
『…………わ、私が、負けた……?』
──初戦を制したのは、まさか、まさかの穂澄さんとなってしまった。
…………マジでぇ??
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