Re:受験失敗から始める中学生活③(中学生)


 昨日の続きから書いていく。

 僕は千葉市立稲毛高校附属中に進学することになった。不本意ではあったが『仕方ないや』と、中学から課せられていた課題をこなしていた春休み。

 そんな時に父親がとあるアニメを僕に勧めた。

 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』というライトノベル原作のアニメで、作者は渡航わたりわたる。作者は稲毛高校出身で、このアニメの舞台も稲毛高校である。

 僕は小6になる頃にはすっかりアニメオタクとなっていたので、早速その『俺ガイル』(略称)をPCで視聴した(今思えば、あれは違法視聴だったのだろう)。

 2期26話を一気に観終え、中学になってからは原作のライトノベルも読み始めた。それと共に他のライトノベル(リゼロや幼女戦記・よう実など)にハマり始め、その読書趣味が高じて中2の冬からカクヨムで小説投稿を始めるに至る。正確に言うならば、ライトノベルを読み出したのは小4の時、小学校の隣の席の女子が読んでいた『小説千本桜』から。小説を書き出したのは小3か小4の時、那須なす正幹まさもと原作の『ズッコケ三人組』と『お江戸の百太郎』の世界観をクロスオーバーさせた二次創作を自由帳に50ページぐらい書いて、クラスメイトに見せたことが初である。

 それはともかく、僕の中学生活はそういったオタク趣味や創作が大部分を占めていた。部活は卓球部だったが、友達と話しながらやるのが楽しみだったというぐらいで、試合で勝ち上がろうとはあまり思っていなかったので上達は人並み以下だった。

 勉強に関しては『中の上くらいで良いかな』と思って、前日詰め込みしか勉強していなかったので実際それぐらいの考査順位だった。中1の最初は33位。次が28位。最高が12位で最低が40位前半ぐらいだったと思う。学年全体で80名しかいないので、まあこんなものだろうという感じだった。

 学力推移調査というベネッセの模試のようなものが年に2回あって、それは最高11位・最低59位というとんでもない振れ幅で、日常的に勉強しなかった中学受験時代の模試成績がそのまま引き継がれているかのような状態だった。

 特に悪いのは英語だった。稲毛高附属中という学校は英語が売りの学校で、英語が得意な生徒が多かったというのはあるが、英語単体での順位は一回も上位3分の1に入ることは無かった。英語が得意な生徒、と言っても中学に入った時点ではアルファベットも危うい生徒もいただろう。それに対して僕は公文で小学校の頃から多少なりとも英語に触れていたし、中学受験で一旦それは途絶えたとしてもある程度のアドバンテージはあるはずと思っていただけに、英語が穴になることは想定外だった。とはいえ何が悪いのか分析して実践するほど危機感は無かった為、結局英語の勉強といえば英単語テスト前に登校途中のバスで単語帳を眺めるぐらいだった。それでも再テストに引っかかることが多く、悪い時は再々テストまで落ちて朝早くから再々々テストを受けに行くような日々を送っていた。英検は小1の時に5級に受かっていたのだが、小2の時に4級に2回落ちてからは一旦諦めていたので、中学に入って3級・準2級まで何とか受かることはできた。それでも英単語力はあやふやで、英語長文読解のストラテジーなんてものは全く習得せずに『何となく……』で解いていた。リーディングに関してはそれで良くても、僕の一番の課題は実はリスニングだった。中2から学校で受け出したGTECのリスニング成績は中2で72位、中3で66位となっていて、これは英検2級に挑戦する上でもかなりの難所だった。自分には過集中と注意散漫の症状(いわゆるADHD?)が軽い程度とはいえあると自任していて、それがリスニングでも障害になっているのではないかと疑っていはいる。ただ、このことは親や他人に一度も相談したことは無いのだが。日常生活に支障は無いし、ただでさえ僕は胆道たんどう閉鎖へいさしょう斜頸しゃけいという身体的欠陥を持っているのに、更に親を悲しませてしまうかもしれないと思っているからだ(なお挙げた二つの欠陥は、いずれも後遺症はあるが手術によって処置済みである)。ともかく、リスニングは苦手だった。身体的特性が要因でないとするならば、それは英語以前の日本語での他人とのコミュニケーション不足があったのかもしれない。さっき卓球部の友達について触れたが、中1の頃は正直その子しか真に友達と呼べる人間はいなかったと感じている。しかもその子は隣のクラスだったので、普段のクラスではどこか疎外感を感じていた。今でこそ、クラスや学年全体で見て友達と呼べる人は増えたと言えるが、中高6年を通じてもやはり他者と自分との距離、溝は変化しなかったばかりか、より深化したように思っている。それがリスニングに少なからず影響を与えていたのか否か、今になっても分からない。


 今日はここまで。

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