打ち合わせスペースから出てくる千秋を見て、中をのぞき込んだ恋脳こいのー先輩は、


「岡本さーん、ちょっと話……」


「意地悪してしまった、の……かな? 悪癖が……つまり、そういうこと……いや、でも、ほら。さすがに職場の子は……いや、そもそも……小泉くんは男の子……」


 机に額を押し付けて、ぶつぶつと呟いている岡本を発見した。

 じーっと、その背中を見つめていた恋脳こいのー先輩は、


「……相談、乗りましょうか?」


「――っ!」


 ぼそりと囁いて、岡本の心臓を止めかけたのだった。

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