**02-02 決意も新たに。(週明け、秒で砕けます。)**

 一人暮らしの部屋で最初に過ごす土曜日――。


 千秋はベランダに洗濯物を干して室内に戻ると、


「いつまで寝てるんだよ、ヒナ」


 盛大にため息をついた。

 フローリングに敷いた布団では、陽太が腹を出して寝ていた。


 千秋は実家から運んできたベッドで寝ている。

 陽太が使っている布団は、陽太自身が駅前のスーパーで買ってきたものだ。


 他にも下着やらYシャツやらといろいろと買い込んできて、勝手にタンスに突っ込んでいた。

 千秋の部屋に入り浸る気満々だ。


 あっという間に部屋の半分以上を占拠した陽太に、千秋は腹立ちまぎれに蹴りを入れた。


「うぅ~……」


「そろそろ起きろって。布団を干すぞ」


 うめき声をあげながら、のそのそと布団から出てきた陽太はソファによじ登って、三度寝だか四度寝だかを始めてしまった。


「バターたっぷりのフレンチトースト……」


「起きろってば」


 寝ぼけ眼でリクエストする陽太に文句を言いながら、千秋はベランダに布団を出した。

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