2
「大丈夫ですよ、俺のとなりで! しっかり教えますし、こいつと他のメンバーが仲良くなれるようにフォローします! 架け橋になります!」
陽太はビシッと背筋を伸ばし、キリッとした顔つきで言った。
大真面目な顔をしている陽太を、千秋は
陽太がこういうイイ返事をするとき。本人はいたって真面目に、心の底から、本気で、返事をしているのだが――結果が伴わないことが多いのだ。
と、いうか、絶対に伴わない。
岡本もそのあたりをこれまでの経験で理解しているらしい。
「百瀬くんは小泉くんと幼なじみなんだよね? すごく仲が良いんだよね? 百瀬くん、小泉くんに話しかけすぎて、仕事の邪魔をしたりしない?」
眉間にしわを寄せる岡本に対して、陽太は大きく頷いた。
「しないです! 業務の話以外、しないです!」
「まぁ、業務以外の話を全くするなとは言わないけど……。本当にしゃべるの、我慢できる? にぎやかにしない?」
「はい!」
社会人相手とは思えない質問を大真面目にする岡本も岡本だが、大真面目に頷く陽太も陽太だ。
岡本に隠れて、千秋は引きつった笑みを浮かべた。
岡本は腕を組んでしばらく考え込んでいたが、
「僕も打ち合わせで席にいないことが多いし……うん、わかった。小泉くん、とりあえず百瀬くんのとなりに座ってくれるかな」
「は、はい!」
「やった!」
千秋は急に話を振られて、慌てて岡本に向き直ると背筋を伸ばした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます