第17話 本当の''姉弟''の想い
―――湊side
学校付近
彩葉、
彩葉…、
彩葉…!
お前の背中は何処?
あの無邪気な、
時に塩で
攻略が難しいようで簡単な…
っ、何処だ?
全く見つからねえ、
もう朝が来るっていうのにな。
「迷惑掛けやがって…っ、」
はあ、
明日は学校遅刻確定な。
毎日学校行ってる俺の気持ちも考えてほしいけどなあ?
「はあ、はあ、」
息を切らしながら 目を凝らし 必死に真剣に彩葉を探す。
何処だ、何処だ何処だ…!
―――純恋side
部屋
「彩葉ちゃん…」
、なんで
消えないでよ…、
いきなり目の前から消えるなんて
「いい度胸してるじゃない…。」
帰ってきたらしっかりお仕置きをして
二度と消えさせないよう私が言ってやろう。
「…それよりもっと私にできることがあったら良いのに…」
何もできない私を自分で殺したい。
あんなにあんなに可愛い妹に何もしてやれないなんて
「姉失格ね」
彩葉にいろんな過去があるのは知っている。
知らなければそれこそ姉失格だ。
辛い過去を乗り越えたと思えばまた辛くなって
まあそれは現実逃避したいよ、うん。
私だってそういう時期、というか
病み期、みたいなものがあったし、
きっと、いや絶対
彩葉ちゃんのほうが苦しくて今すぐ消えたいと思うと思うけれど…
「ちゃんと周りの気持ちも考えて?」
涙目になった目。
少し鼻が詰まる。
「はあ…」
玄関に入ってきた瞬間ちゃんと
「おかえり」って言って
「ただいま」って言葉を言わせよう。
私はそう決意した。
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