第7話 最悪な事態
あの綺月さん事件から次の日。
「体育だってーだるいですね〜」
「うん…やりたくない…」
今日の体育はA組との合同授業で、ドッチボールをする。
ちなみに私はB組ね。
「はぁ…」
ため息をつきながら、体育館へ向かった。
体育館へ着き、ボールの投げ合いが続く。
「もう無理いいー…」
へとへとになりながらも、私はドッチボールを続ける。
「あはは…彩葉頑張れー!」
この子は敵チームなのに応援してくれている
初対面でもう呼び捨て…うう、陽キャスマイルがぐさっとくる…
「はあ…疲れた」
目が悪いこともあり、ボールを避けることが難しい。
その時、
「!?彩葉さん、危ない、っ!」
同じチームの鳳さんが普段とても出さないような声を出して「危ない」、という。
辺りを見ると、誰かが投げたボールが私の方へ勢いよく向かってくる。
距離は少ししかない。
もう避けれない、と私は諦めた。
絶対、痛いんだろうな…
ここで私は終わるんだ…と言うように、意識が飛んだ。
――目を開けると、そこは白い天井のようだった。
天井のには蛍光灯がついていて、私はふかふかとしたものに横たわって寝ていた。
保健室のベット、かな?
「うう…」
そっか、私ドッチボールで…
はぁ、やっぱり学校なんて来なければよかった。
「もう家に帰りたい…」
周りに時計がないかときょろきょろする。
右の壁にあった時計は、16時を示していた。
「え…もう放課後じゃん…」
帰らなきゃ、と思ってベットから起き上がろうとした時。
がらがら、と保健室の扉が開かれた。
「先生はいないのか…」
この声…カーテン越しからでも聞こえるこの声は、葵葉に違いない。
(うわ、最悪…)
これは今起き上がってしまったら鉢合わせしてしまう。
仕方ない、静かにしておくか。
「……」
ギギギ…
え?
あ、やば、寝返りうっちゃったから、ベットが軋んで音がなっちゃったんだ…
「?誰かいるのか?」
気づかれた…っぽい…
これは息の根を止めてまで黙らないと…
でも葵葉は、プライバシーというものを知らないのか、カーテンを開けて、此方へどんどん来る。
(やばい…!)
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