第3話 一線へ

 二限目、理科。

 理科室で実験らしいね


 実験とかだるすぎ〜〜…


 でも鳳さんと一緒なら楽しめそう…だな?


「グループで実験するので最低でも三人のグループを組んで下さーい。」


 理科の先生はそう言った後、10分のタイマーを測った。


「10分で組み終わって下さーい」


 私はすぐさま鳳さんに駆け寄った。


「鳳さん〜!一緒にグループ組みません〜?」

「はい、構わないですよ。」


 うーん、礼儀正しいなぁ…


 タメ口の方がいいかな?と思っていた時、後ろから私の名前を含んだ声が聞こえた。


「彩葉さん…!学校来たんですね!」


 南雲祥なぐもさちだ…


 小鳥遊たかなし家…と南雲家は親しい関係で、こいつとは幼馴染。


「まあ…ね」


 私は苦笑してなんとか祥に言葉を返す。


「葵葉先輩達とは…まだ…」


 ……


「その話はしないって…約束したでしょ」


 私は小鳥遊家を出た後、祥とこの話は最小限にすると誓った。


「そうでしたね…」


 昔は男子のくせに私になついてばっかで可愛かったのに、今ではめちゃくちゃ大人っぽくなって、同級生なのに敬語使って…。


「あの…お二人共お熱いところごめんけど…実験始まるよ…?」


 私が祥と喋っていると、鳳さんがもうすぐ始まるよ、と言ってくれた。


「そうでした…!」


 私はあせあせと鳳さんに返す。


「もう時間もないし、この三人で組みましょう。」


 鳳さんは冷静にそう放った。


 そしてタイマーを見ると、残り30秒だった。


「そうですね…」


 祥も頷き、私達3人は固まって席に座った。


 楽しい学校生活ができそう…?

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