第1話 決意
「昨日は随分と嫌な夢見ちゃったなぁ…」
あの時の…元家にいたの時の夢。
「学校…嫌だな」
私はもう随分と学校に行っていなく、引きこもりを続けていた。
だけどそろそろ単位危ういから今日は行かなくちゃな、と思っていた。
「本当に…行きたくない…」
ベッドからゆっくりと起き上がり、ぐちゃぐちゃとしたタンスの中から制服を探す。
私は目が生まれつき悪く、指定のリボンがどれかを探すだけでも苦労だった。
「はあ。」
思わずため息が漏れる。
「あーあ、なんかもう嫌になっちゃった。」
二度寝でもしようかな〜、なんて思っていたら、
「はよー」
「は!?なんで勝手に入ってくるの!?」
…二度目のため息が漏れそうだ。
この人は…、あの時、私を拾ってくれた、湊。
行く宛もなかった私は湊の家で匿ってもらうことにしたんだ。
湊のお父さんやお母さん、お姉さんには本当に申し訳ないけどね…
でも、快く歓迎してくれて、「ああ、なんて良い家なんだろう。」って、憧れてしまった。
「学校行かねえのかなーって」
「今準備してたんだよ!?」
「あー、なるほど」
言ってしまったには仕方ない…、学校行くか。
行きたくない気持ちは山々ある。
でも、決心したから。
「よいしょ…、」
私は机の引き出しからハサミを取り出した。
「は?お前何しようとして…」
私は目の下まで伸びた前髪を目の上で切り、腰まで伸びた後ろの髪も肩まで勢いよく切った。
「嫌われなければ、いいな」
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