食べられる

3.14

第1話

僕は、走っていた。真夜中の森の中。

「ハァッ、はぁっ…、んはぁ、はぁ…、」

夜空にひときわ輝く星は、やがて満月の形になりこちらを覗いている。

深い深い霧の中、深緑の世界。

優しく湿った地面は、隙間なく植物が覆い尽くし、

苔が楽しそうにこちらを笑っている。

ただ、走って走って、

糸のように絡んだ木の根を飛び越え、

何度もつまずきながら先の見えない世界を走っていた。

少しすると雲は、ひっそりといやらしそうにその大きな星を隠した。

すぐさま周りは、深い井戸の奥底…。

音なんて存在しなかったのかと思えるような静けさ。

叫んでも、自分の声すら聞こえないような孤独感。

ただ響くのは、植物の声。

こちらを嘲笑っているのか、もしくは勝手に入った異端者を排除しようとしているのか。

ただ前者であることを願う。

真っ暗な中ただ体を動かす。今、唯一信じれるのは、この皮膚とこの匂い。

ひんやりと体を包む冷気、

それは決して寒いものでなくただ体にまとわり付く森の精霊のようだ。

それでも進めば進むほど、その精霊は私の身体を止めてくる、


「もう、それ以上は、ダメ」

「早く諦め、今すぐ止めなさい」


でも精霊だなんて、良いことばかり言うものじゃない。

ただ、ただ前に、前へと。

そうしてその空気を乗り越えた先には、森の、緑の、匂いがある。

どこか自然の、現代では考えられないような匂いが。走っているとそれが否応無しに鼻の中へと入り込む。

勿論吸ってて、鼻に入ってきてただただ清々しい。心が洗われるような。

そんなことを考えてるうちにそれは、見えてきた。

「あと…あともう少し…」

が、私は寸でのところでぬかるんだ地面に滑って転んでしまった。

「うっあっ…」

情けない声が独り寂しく木の中、植物の中、響いた。

「プシューーー」

嫌な音がした。

勿論それは、この自然の森の中の音なはずなく。

目の前で割れた世界。

それは、ゆっくりと歪み始め。


「今回は、還れそうにないや、」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

↓筆者の感想↓

とりあえずこの話の説明、解説させて頂きます。

勿論、正解は、ありません。私が書いた文だからといってそれが正しいというわけありません。

言ってみれば私が考察した文です。

勿論「自分の中だけで考えたい!」と思うなら読まなくて大丈夫です!

では、どうぞ…↓



まず結論としてそこは、地球では、ない。夜空に輝く星は、やがて満月の形になり、と言っているが、「形」だけでそれは、月では、ない。何かしら月に似た恒星である。

そして植物が笑っているように感じたとあるがそれは、本当に笑っていたのか、もしくは、地球の植物と違って思わず笑っているように聞こえる動作をする生き物なのか、。

文中で異端者と言ってるがそれは、主人公のことを指す。突如植物、自分たちの星(世界)に主人公たちが来てしまいそれを忌み嫌っている。

途中精霊?がそれ以上は、ダメ、など早く諦めろ、と言っているがそれは、主人公たちがその星を自分たちのものにしようと、もしくは今まで住んでた星の代わりを探そうとしていることなどを諦めろ、止めろ、と言っているのかも。

無論、精霊はほんとに精霊なのか、はたまたその星の宇宙人なのか主人公がただそう感じただけなのか…それは、自分で考えてもろて…。

そして終盤森の、緑の匂いが鼻に入ってくる、"現代"では、考えられないような匂い、とあるがその主人公の住む星では、科学が発達しすぎ大量の緑、森が無いのかもしれない。だから緑、植物の匂いをかいだことがない。

で、最後に主人公は、転んでしまった、とある。

そのときのプシューーーは、主人公が着ていた宇宙服?が壊れその星の空気が入る音、主人公が呼吸する空気が抜ける音なのかもしれない。

目の前で割れた世界的、とは宇宙服の顔の前にある画面が割れたということなのかも。

ゆっくりと歪みはじめ、も画面が割れている、のとその星の空気を吸ってしまい意識がぐにゃりと曲がってしまっている様子。

で、ほんとの最後に「今回は、還れそうにない」と言っている。主人公は、様々な星に行って住めそうな星を探しているのかも。

それを自分より大きな組織に命令され色々な星を探索をしているのだ。

勿論危険は、伴うが幸運なことに主人公は、いつも母星?自分の星に帰れていた、帰"還"出来ていたのだ。

しかし今回は、「還れそうにない」とある

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