12話今後の動向

「で?どうするの、エンリ?」

どうしよう。

「この国を出て違う国に行って活動するのもいいし、故郷に帰ってもいいし。」

故郷か。

「朔、このさいだから言うね。私、子供の頃の記憶ないんだ。だからどこが故郷かもわからない。」

「えっ...ごめん、無神経なこと言って。」

「別に大丈夫。知らなかっただろうし。あっ!なんなら朔の故郷でも行く?興味あるからさ。」

「エンリ、ワタシの故郷結構遠いよ。エベレス山脈越えないといけないし。」

...ガチで?ほんとに遠いじゃん。

「うん、ほんと。あと今帰りづらいし。」

「なんかあったの?」

「ちょっとね。」

そう言って朔は顔を逸らした。何あったんだろう?

「エンリ、どっちにしろこの国から出て行った方がいいと思う。この国にいたらまた今回のようなことが起こる気がする。」

そうかな?

「だってエンリ、訴えてもいいのに訴えないし、絶対にいいカモだと思われてるよ!もうちょっと公平さがある国に行った方がいいと思う。」

そんなに言う?

「うん、言う。」

どの国がいい?

「レオマール国とか?あそこは平和だし、公平に物事見てくれるから。」

「レオマール国か。なんなら国巡りしてみようかな。あっ!せっかくだし、この機会だから神獣探ししてみたいな。」

「確かにいると噂されてるけど見たことない神獣多いもんね。それにエンリ、一応神獣使いだし。」

そういえばそうだった。ん?ちょっと待て、朔。一応って何?つける必要あった?

「えー、だってエンリ武闘派じゃん。」

関係ないでしょ!朔の神獣使いのイメージって何?

「後衛」

単語で返ってきた。そういう意味ね。確かに私は前衛だ。

「朔って何できるの?」

「治癒魔法とか重力魔法かな。」

なんかすごい回答がきたのだが。

「えっと、治癒魔法使えるの?」

「うん、一応。本職には劣るけど。」

充分すごいけどね。

「重力魔法は?」

「そのままの意味だよ。重力操る。必要に応じて魔術使うけど。」

さらっと怖いこと言ってるよ、この子。

「大丈夫。計算して使うから。」

まだこの歳でこんなやつ使えるって神獣すごい。

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