5話語らい
「そういえば名乗ってなかったよね、私は鈴。よろしく。」
「私はエンリ=ヒョウガです。年は14です。」
「えっ私より年下なの!」
まさか...
「失礼ですがご年齢は?」
「18」
「・・・」
「・・・」
気まずい。思いっきり同年代だと思った。
「ワタシは朔。年は10。」
「やっぱりなんかそれぐらいの年齢かなぁって思った。」
スズさんはそう言う。まぁ確かに大人ぶって背伸びしてる感はあるな。あと朔、目に見て分かるように落ち込んでいる。
「子どもじゃないもん。」
朔はぽつんと言ったがそういうところが子ども扱いされる原因なのではないかと思う私だった。そう考え込んでいるとスズさんが朔としゃべっていた。
「あっ朔ちゃんって×××だったりする?」
「なんで分かったの?」
朔が何やら驚きながら言う。うさぎだから表情が読みづらい。スズさん何言ったんだろうか?
「あぁ、朔ちゃんに人参嫌いか聞いてみたら図星だった。冗談で言ったつもりだったんだけど...」
「あれは食べ物ですらない。」
冗談で当ててしまうスズさんもすごいけど朔好き嫌いはダメだからね。
「あっここから本題。魚が食べれる都市ってどこ?」
「川魚ですか?」
「いや海」
「高いですよ。」
目に見えてガッカリしている。そこまで?
「今手持ち無いんだよね。あっ!釣りできる?」
「たぶんできると思います。」
「よし!魚食べれる。」
魚好きなんだろうか?食いつきが凄い。私も魚食べたことあるけど、生臭くて食べれたもんじゃなかったな。
「それで何処の都市で食べれる?」
「たぶんアシュドだと思います」
「本当にありがとう。エンリちゃんは命の恩人と言っても過言じゃない!」
「大袈裟ですよ。こっちもありがとうございました。」
「本当に今更だけどタメ口でもいいのに。」
そうは言われても習慣になってるから急には...
「分かってるって。まぁ急に変えろって言われてもすぐには無理だもんね。次会ったときには、なんか奢るから楽しみにしといて。」
「ねぇ、2人だけで会話しないでよ。」
あっごめん。忘れてた。
「ヒドい...。」
それは本当にごめん。
「ワンワンッ!」
えっと?
「翻訳ね。えーと、忙しい中時間を取ってくれてありがとう。次会う時も主人殿をよろしく頼む。だって。だ・か・ら主人殿って言わなくて良いから。そう言ってるじゃん。」
仲良いな。主人殿って言われてるんだ。
「べつに言わないよ?」
頼んで無いってー朔!羨ましいとか思ってない!
この後スズさんと別れ、ギルドに向かうのだった。そしてスズさんとまた違う形で会うとはこのとき私たちは思ってもみなかった。
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