4話武器屋

~カランカラン~

「アースさん、どうも久しぶりです。」

「おい、エンリの嬢ちゃん。お前追放されたって聞いたぞ。どういうことだ?」

朔にもした説明をアースさんにする。

「なんだよ、それ。冤罪じゃないか。それにランクを落とすなんて。最近のギルドは腐ってんな。」

「私が何かやらかしたのかもしれないですし。」

なんかため息つかれてる!?

「お前さんの鈍感さもここに極まりだな。」

意味わかんない。なぜそんなことを言われるのか。

「今日はアースさんにお願いがあって来たんです。」

錆びている刀を見せる。あれ?錆びてない。

「どうしたんだ?何!これは古代武器じゃないか。何処で見つけたんだ?」

まさかダンジョンの最下層で見つけたとは言えない。てか目の色変わりすぎでしょ。

「あのー。私何の武器が合ってるんでしょうか?」

「あー、すまんすまん。忘れてた。」

先客いたなら言って欲しい。待つのに。

「嬢ちゃん、言いにくいんだが嬢ちゃんに合う武器がないようだ。」

「それってどういう」

「嬢ちゃんは魔物と一緒に戦った方が強くなるタイプだ。そこの魔狼と契約しているからか、支援魔法特化になっている。だから武器を渡すとバランスが崩れてしまう。だから防具を買った方がいいんだ。」

「えっ、待ってください。今、魔法の適性見てくれたんですか?」

私どうなるんだ?契約してしまったけど。

『大丈夫。ワタシ援護魔法の方が得意だから。』

「君、カバンの中に何かいる?」

なんで分かるの?念話だったのに。まあ最悪うさぎと誤魔化せば、ばれないだろ。

「えっ、いるにはいますけど…」

なんだろ?悪い人ではなさそうだけど、見せて欲しいって言いそう。

「どうしたの?」

普通に出てきた。朔普通に出てくるんかい。

「店主さんうさぎってしゃべるんですか?この地域では?」

「……。」

あっやばい。気づいてる。

「おい、エンリ。まさかそいつは神獣の月兎族か?」

バレた。

「ようやく相棒神獣を見つけたのか。神獣使いという肩書きが伊達じゃなくなったな。」

心配してくれてたんだ。ありがとう。しばらく雑談をして外に出るとさっきの女の子がいた。えっなんで?

「君にひとつ頼みたい事があるんだけど」

何を?

「此処ら辺の地理教えて。お願い。」

へっ?そんな事?

「いいけど…。なんで?」

「私、かなりの田舎から来てここに辿り着いたのも奇跡みたいなもので。」

どこの田舎なんだろ?ここってまあまあ有名な冒険者都市なんだけど?

「信じてもらえないかもしれないけど、急に王都に呼び出されたんだ。4人で来てたんだけど、そのうちの1人その職業ジョブ知らないくせに出て行けって言って追い出して、私は私より上位職業ジョブの人思わず殴っちゃって指名手配されてるんだよね。」

「何で殴ったの?」

気になるので聞いてみた。

「信じてくれるの?まぁあの野郎私に向かって俺の女になれとか抜かして、挙げ句にノース侮辱しやがったから。」

・・・・・・えっめっちゃ最低だ。女の敵。怒るのは当然。けどキレるの魔狼のことなんだね。ん?指名手配されてる?誰に?

「最低。」

朔また急にしゃべるね。

「だってこの国職業ジョブ主義じゃん。職業だけで人生左右されるんだよ。間違ってる。」

なんかこの国の内部事情知りすぎなような?

「ワン」

えっとなんと言ったか分からん。

「そう言えば追放されたって言ってだけどどういう意味かだって。」

ワンだけでそんな意味が…じゃなくてなんで言葉分かるの?

「昔から何でか分かるんだよね。」

そう目の前に座っているの女の子が苦笑いしながら言う。ここは気にしたらいけない気がした。

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