第68話
「今日はなんのクエストをやろうかなー」
冒険者ギルドのクエスト一覧を見ながら、どんなクエストを受けるか迷っているのはグレアだった。
オレたちは冒険者ギルドの受付の前にいる。
受付嬢はもちろんミリカさんである。
「大ガエルの討伐をしようぜ」
というのはアレクだった。
アレクは大ガエルのモンスターが好きなのだろう。
だがグレアは大ガエルよりもほかのクエストのほうがやりたかったらしい。
グレアはそのクエストを指さした。
それはゴブリン討伐。
「またゴブリン討伐かよっ」
と突っ込みを入れたのはアレク。
ちなみにこのグレア、ゴブリンの討伐が好きなのである。
大ガエルはなんだか見た目が気持ち悪いのが嫌いだそうだ。
大ガエルはやたらでかいので食われそうで嫌なのだそうだ。
いや、見た目が嫌いって。
いや、大ガエルってぬめぬめしているからその気持ちはわかるけど。
ゴブリンだって十分に見た目は悪いと思うのだがな。
だがグレア曰く、ゴブリンは仲間をたくさん引き連れて襲い掛かってきてくれるので、ゴブリンは簡単に大量のモンスターを討伐できるから好きなのだそうだ。
そうはいっても、ゴブリンを多く倒してもそんなにお金は稼げないけどな。
ほかのモンスターを倒したほうが報酬は高いけどな。
そしてS級のパーティーになるために、少しでも多くのモンスターを討伐したいのが理由だそうだ。
オレたちはグレアの魔法でテレポートで、魔の森の中心地へと移動する。
「!」
「!」
「!」
「!」
「!」
「もうグレアってテレポートの魔法覚えたんだな……成長速度がはやすぎるだろ」
と、悲しそうな顔をしてつぶやくのはアレク。
「さっそくモンスターが来たぞ。お前ら、話なんてしている場合ではないぞ」
というのはエレンだった。
確かに前方からは、ゴブリンがやってきている。
ゴブリンの集団が襲い掛かってくる。
ホブゴブリンLV52
ゴブリンLV22
ゴブリンLV24
ゴブリンLV26
ゴブリンLV28
ゴブリンLV30
「じゃあ、さっさとやっちまうか」
というのはオレ。
その声にこたえて、グレアが魔法の詠唱を始める。
風がグレアの周りでざわめきだす。
そしてグレアは言った。
「ウインドカッター」
上空へと打ち上げられるのはモンスターたち。
ホブゴブリン、そしてゴブリンたちが空へと打ち上げられ、そして風によってその身体を切り刻まれていた。
ゴブリン、ホブゴブリンは地面に倒れていた。
その身体はばらばらになり、その頭がホブゴブリンの頭部が地面に落っこちている。
「ふんっ、相変わらずやるな」
というのはエレン。
「そうだね。戦闘は一瞬だったね。でも僕たちがいる意味って……僕たちの存在意義って……」
と悲しそうにいっているのはサックだった。
オレたちはアレクやサックの言う言葉を聞き流し、出現したモンスターを倒すと、次のモンスターを探すために奥へと入っていった。
「お、またモンスターがいるぞっ」
というのはアレク。
アレクの言う通り、魔の森の奥からはモンスターがオレたちを見つけて、襲い掛かってくるようだ。
ゴブリンキングみたいに強いモンスターでないと、オレたちから逃げ出したりはしないのだろう。
ただ襲い掛かってくるだけなのだろう。
ホブゴブリンLV52
ホブゴブリンLV54
ゴブリンLV20
ゴブリンLV22
ゴブリンLV24
ゴブリンLV26
「ホブゴブリンか……さっさとやっちまうぞ」
というアレクの声に。
グレアは魔法の詠唱を始めた。
それは風の魔法の詠唱。
風がグレアの周りに集まりだし。
グレアは言った。
「ウインドカッター」
上空にモンスターが打ち上げられていく。
そしてそのモンスターの身体がいつものように上空へと運ばれて行き、そのホブゴブリンの身体がゴブリンの身体が切り刻まれていく。
敵モンスターたちの身体がばらばらになり、地面へと落ちてくる。
それはいつもの戦闘の風景だった。
「よし。ゴブリンを倒したっ。さっさと奥にいくわよ」
というのはエルマ。
「もっともっと多くのモンスターを倒そうっ」
というグレアの言葉に従って、オレたちはさらに奥へと足を踏み入れていく。
と、魔の森の奥からまたモンスターが出現した。
そのモンスターはゴブリンだった。
ホブゴブリンLV52
ゴブリンLV20
ゴブリンLV22
ゴブリンLV24
ゴブリンLV26
ゴブリンLV28
「さあ、さっさと倒しちまうぞ。やれ、グレア」
オレの言葉を聞いて、グレアはこくりとうなずく。
グレアは風の魔法の詠唱を始めた。
グレアの周りに風が集まりだす。
そしてグレアは言った。
「ウインドカッター!!!」
ホブゴブリン、ゴブリンたちが上空へと打ち上げられていく。
その身体は上空で風の魔法によって切り刻まれていく。
それはいつもの光景。
オレは上空で切り刻まれていくホブゴブリン、そしてゴブリンのことを見ていた。
そして風に切り刻まれて、地面に落ちてくるのはホブゴブリンの頭部、そしてゴブリンの右腕だった。
これだけのモンスターを討伐すると、S級のパーティーになれる日だって近いかもしれない。
S級のパーティーになれる、そんな日がもうすぐくるのかもしれない。
「よし、さらに先へと進むぞっ」
「うんっ」
グレアが返事をし、オレたちはさらなる敵を求めて、森の奥へと走っていった。
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