第20話、喰らえ!ギャル系特殊スキル!!!!
震えながら身構えるヤクジシ達を鼓舞する。
「よし!やるぞおー!」
「お、おい?」
「ギャル系特殊スキルオープン!!」
ずらっと並ぶ特殊スキル。
全部試してみたけど、不発だったものもあったからちょっと楽しみではある。
まずは定番の、ネイルゴテウィップ。
その場で腕を振り回せば、鞭のように伸びる爪で大規模周囲攻撃。奴がどこに隠れているのかの確認&運良くぶつかってくれれば御の字。
姿が見えなくても、当たりはするだろう!!
半周する前に腕の一部が深く裂けた。
知能が高いし、何より避ける速度が予想より早いな。
「それなら!」
前試した時は不発だったけど、ずっと気になっていたスキルを使用する。
カラコンショックハートだ!!!
「おっらぁ!!!!」
発動と同時に、ぐおんと地震のように地面がぐら付くような感覚。次の瞬間には、四方八方に巨大なカラコンが大量に生成された。
「うっわ、キモ…」
カラコンショックハートって、まじのカラコンだったのか。
ヤクジシ達が大量の目玉に似たカラコンに恐怖し、悲鳴を上げる。
気持ちは解らんでもない。
ギョロギョロとカラコンが動く度に自分のものではない視線が動き、ある一点にカラコンの視線が集中した瞬間にヒノコが姿を現した。
近くのカラコンに威嚇をしている。
隙だ!!
「見つけた!!!」
ネイルゴテウィップ発射。
すんでで気付かれるが、尻尾の先の毛をゲットした。
すかさず飲み込み登録した。
これで見えなくたって、何処に居るのかがわかる。
カラコンが役目を追えて消えるのと同時に、またしてもヒノコが消える。
だけど、今回は見失わないよ!!
ヒノコの居場所は俺には丸見えで、ネイルゴテウィップでも余裕で攻撃できる。
でも、俺はずっと気になっていたスキルを使うことにした。
文字だけでも良くなさそうなスキル。
これは一体どんな効果なのか??
「特定炎上、はつどう!!!!」
俺の頭にあるレーダーに映るヒノコのマーク。
そのヒノコのマークが突然炎のアイコンに押し潰された。
次の瞬間、赤の閃光が突き上がって姿が消えていたヒノコに襲い掛かる。
形状は真っ赤な炎の矢、それが大量に地面から発射されている。
威力は抜群。
しかし、ちょっと量が多くない???
容赦のない攻撃方法に俺はドン引きしている間にもヒノコは赤い矢によって空高くへと突き上げられていく。
「ええ……、なにこれ…やばすぎ」
特定ってあるから、草や石を見付け出すアレの強化版かと思ったら、なにこれ。
空高く打ち上げられたヒノコが目の前に降ってきた。
ピクリともしない、完全にノックアウトだ。
「うおおおおおおおおおお!!!!」
歓声を上げるヤクジシ達に肩が跳ねた。
こいつらいたの忘れてた。
「すっげええええよ!おまえすげえええええ!!!」
「うおっふっ!?」
ビガロが抱きついてきた。
抱きついてきたというよりはタックルに近い。
「うぶええええええい、ありがどおおお!!ありがとうなぁぁああ!!!」
泣きながらお礼を言われた。
ついでに頭もグリグリと押し付けられて、やっぱりこれは攻撃なんだろうかと思う。
しかし、まさかこんなに簡単に退治できるとは思って無かったからビックリした。
そういえば、ついでにこのキツネもギルドに持っていけば、お金に成るかもしれないな。
伸ばした腕から取り込み収納。
ステータス欄に勝手にファイル[魔物]がいつの間にか生成されており、そこにヒノコ(ヤクジシ名)が追加された。
「あれ?」
灰色の文字で同じファイルにホビラット(ヤクジシ[ビガロ])の名前もあった。
ああ、収納してたな。
念のために他にもいないかを検索を掛けてみたけれど、居なかった。
「よし!これで依頼完了!」
これで草原の平和は守られたわけだ。
ヒノコの吐き出した腕回収することにした。
いくら再生できると言っても、元は俺の一部。捨てておくのは可哀想だ。
「あったあった。……ん?」
回収した腕は縮み、ピンクのガラスみたいになってた。
まるで乾燥ワカメみたいだな。
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